2017.12.24

伝統のタスキをつないだ山形市立商業。1回戦敗退の悔しさを糧にしたい

今年、高橋先生の後を継ぎ、初采配をふるった森岡コーチ[写真]=圓岡紀夫
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 12月23日、東京体育館にて『ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会』が開幕。女子1回戦では山形市立商業(山形)が埼玉栄(埼玉)と対戦した。

 全国的にも強豪として知られている山形市立商業だが、今夏の福島インターハイでは県予選決勝で山形中央に敗れて、14年ぶりに本大会出場を逃した。しかし、ウインターカップの予選では雪辱を果たし、28年も続く出場記録という伝統のタスキをつなぐことはできた。

 迎えた埼玉栄との一戦、勝敗を分けたのは「出だしは悪くなかったです。しかし、いいタイミングで打ったシュートが入らりませんでした。タイムアウトを我慢しましたが、それで点差も離れてしまいました。最初のボタンの掛け違いが大きかったと思います」と、山形市立商業の森岡雅人コーチは振り返る。ファイナルスコアは53-89の完敗という内容だった。

厳しいマークに遭う中、チーム最多の18得点を挙げた加藤[写真]=圓岡紀夫

 「ハーフコートオフェンスよりも速攻で点が取りたかったです。それにアウトサイドシュートよりもディフェンスを動かしてドライブ攻めるうちのスタイルも、埼玉栄のサイズにつぶされてしまいました。第4クォーターになって、ディフェンスの粘りが出てきましたが、あれだけシュートが入らないと思うように試合運びはできません。そのうちの2、3本でも入っていればもう少し戦うことはできたと思いますが…」と、森岡コーチもその内容を悔やんだ。

埼玉栄の高さに対して、リバウンドでは33-39と後れを取った[写真]=圓岡紀夫

 前任の高橋仁コーチが3月に退職したことを受け、森岡コーチは山形市立商業を引き継いだ。日本大山形出身の森岡コーチは選手時代、さらに母校のアシスタントコーチ時代に何度もウインターカップには出場しているという。しかし、今回は初めて自身で采配を振るったわけだが、思いどおりに試合を進めることはできなかったと言えよう。

「選手には感謝しかないです。インターハイ予選では選手のコンディショニングをうまく調整できず、残念な結果になってしまいました。それも自分が至らなかった点だと思います。その反省を生かしつつ、しっかり走り込んでチーム強化に励んできました。高橋先生の後を継ぎ、今回は選手たちに連れてきてもらったと思っています。今日の悔しさを来年につなげたいです」

 森岡コーチは自分の言葉をかみしめた。

文=入江美紀雄

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