2026.07.24
NBAが“停滞”している。その理由はただ一つ、レブロン・ジェームズが決断を先延ばしにしているからだ。
一部報道では、レブロンはすでに発表の準備があったとされている。しかし、アダム・シルバーが「レブロンが決断しないとスケジュールが組めない」と公言したことに嫌悪感を示し、発表を先送りにしたとの噂が蔓延した。
だが、もしかすると、レブロンが“待たせている”のではなく、レブロンが“待っている”という可能性もあるのではないだろうか。『Yahoo Sports』でシニアアナリストを務めるケビン・オコナーは、同選手が「自身を優勝へ導く構造を見つけられていないのでは」という仮定から、現在の状況を分析している。
同氏によると、リーグ内ではレブロンがカイリー・アービング、あるいはアンソニー・デイビスとの再結成を待っているという見方が強まっているという。優勝経験を共有し、自身との相性が証明されている選手を候補チームが獲得できれば、決断の大きな後押しになる可能性があるからだ。

かつてキャブスを優勝に導いたレブロンとカイリーのデュオ[写真]=Getty Images
最も美しい引退のシナリオとされている、地元クリーブランド・キャバリアーズへの復帰。ここは過去にアービングと優勝を成し遂げた地であり、アービングとの再会先として考えられている。
だが、これは夢物語に聞こえてしまう。キャバリアーズはジェームズ・ハーデンとの長期契約を模索しているが、レブロンの代理人を務めるリッチ・ポールからは「ハーデンに失礼な意味ではなく、マイナス面はそこにダリアス・ガーランドがいないことだ」という発言もあり、必ずしもハーデンとの組み合わせを高く評価しているわけではない。ボールを長く保持するハーデンに対し、アービングはキャッチ&シュートやスクリーン役にも回れる。純粋なフィットだけを考えれば、アービングの方が魅力的なのは間違いない。
同時に、ダラス・マーベリックスにもアービングを放出する意思はない。新ヘッドコーチのダスティ・メイは、アービングのワークアウトを「ピカソが絵を描くのを見るようなもの」と高く評価。球団としても、クーパー・フラッグと組ませることに大きな期待を抱いている。
耐久性の高いハーデンを、故障リスクのあるアービングへ置き換えること。カンファレンス決勝へ進んだロスターを崩すこと。キャバリアーズにとって、レブロンの迎え入れはあまりにも大きな賭けなのだ。

実現すればまさに夢のカルテット[写真]=Getty Images
もう一つの構想は、ゴールデンステイト・ウォリアーズにおけるデイビスとの再会だ。ウォリアーズがジミー・バトラーを軸にデイビス獲得を目指せば、ステフィン・カリー、レブロン、デイビス、ドレイモンド・グリーンという歴史的な陣容が誕生する。経験、知性、スター性で対抗できるチームは歴史上にも存在しない、まさにドリームチームだ。
一方で、デイビスを保有するワシントン・ウィザーズは残留を強調し、ウォリアーズもバトラーを放出しない姿勢を示している。デイビス自身も大型延長契約の資格を得る8月まで動かない可能性があり、状況は停滞したままだ。また、ウォリアーズのタレントもボールを保持することで才能が活かされる選手が多く、ここでもボールのシェアという懸念が残る。
オコナーは、これまでのレブロンが既存のロスターではなく、自身が最後のピースとなるようなチーム選びをしてきたと指摘。レブロン・ジェームズは、契約先を探しているのではない。自身をもう一度優勝へ導く「プラン」を探している。
これまでレブロンがフリーエージェントとして下した決断には、明確な設計図があった。2010年のマイアミ・ヒートにはドウェイン・ウェイドとクリス・ボッシュがいた。2014年に復帰したクリーブランド・キャバリアーズでは、カイリー・アービングに加え、ケビン・ラブを獲得する準備が整っていた。2018年のロサンゼルス・レイカーズ移籍も、翌年のアンソニー・デイビス獲得へとつながっている。
かつてのレブロンには、自身の加入だけでチームを優勝候補へ変えられる影響力があった。しかし、現在の彼には相棒はもとより、守備力、シュート力、健康状態まで含めた周囲の環境整備が不可欠だ。
レブロンは迷っているのではない。自分が望むロスターが現れるのを待っている。しかし、その最適解は実現しないかもしれない。何に魅力を感じ、何を受け入れるのか。色々な要素を天秤にかけた先に、キングの最後の決断が待っている。
文=Meiji
2026.07.24
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