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3年ぶりに夏の全国へ…明星学園の中核を担う吉田凛花と林如春

初の全国大会に臨む吉田(右)と林 [写真]=田島早苗
フリーライター

 6月末、昨年のウインターカップでベスト4となった八雲学園高校を筆頭に猛者たちが集う東京都において、明星学園高校は八雲学園に続く2位でインターハイ出場を決めた。

 東京都予選はまさにし烈だった。上位4チームによる決勝リーグは最後までもつれ、1試合を残した時点で明星学園は0勝2敗と後塵を拝していた。

 しかし、最終戦の結果によっては出場チャンスはまだあった。そして迎えた佼成学園高校との最終戦。明星学園は第1クォーターから2けた得点のリードを奪うと、後半こそ点差を詰められたものの最後は17点差を付けて勝利。続く試合で八王子学園八王子高校が八雲学園に敗れたことにより、全勝の八雲学園を除いた3チームが1勝2敗で並び、最終的には得失点差で明星学園が歓喜の瞬間を迎えた。

■リーダーとしても成長中の絶対的エース

吉田は明星学園のエース [写真]=田島早苗


「(目安として)15点差以上つけて勝とうとチームで話をしていました。最初から飛ばさないと簡単に点差を付けられる相手ではなかったので、出だしからどんどん点を取っていく気持ちで全員が試合に入れたと思います」

 このように佼成学園戦を振り返ったのはエースを担う吉田凛花(3年)。決勝リーグで先に2敗を喫したときは、「今年も全国はないのかな」と頭をよぎったそうだが、それでも「まだいけるということで気持ちを切り替えて最終戦に臨みました」と言う。

 吉田は、1年生のころから主力として試合に出場してきたフォワード。6月の関東大会では1回戦(市立前橋高校/群馬県)で37得点を奪取するなど、頼れるポイントゲッターでもある。

「1、2年では全国に行けなかったのですが、同じメンバーでずっとやってきたので今年は全国に行く可能性はあると思い、インターハイ出場を考えながら取り組んでました」と、過去2年間、夏冬ともに全国大会出場にはあと一歩届かなかったため、吉田にとっても最終学年となった今年は期する思いがあった。

 相模女子大学中学部時代に「京王 Jr.ウインターカップ2023-24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会」で準優勝、大会ベスト5にも選出されるなど全国大会で活躍をしてきた。そんな吉田は、竹内みや(桜花学園高校3年)ら中学のチームメート達が高校の全国大会で活躍する姿を見て「みやの活躍はうれしいし、すごいなと思ったけど、悔しいなという思いもありました」という感情を抱いてきた。それだけに、自身初となるインターハイには「めっちゃ楽しみです」と、声を弾ませる。

 今年はバスケット人生初のキャプテンにもなった。就任当初は「どうやってまとめればいいのか分からなかったし、人前で発言することが得意ではなかったのでどうしようと思った」という悩みもあったが、楠田香穂里コーチから「背中で見せたらいいよ」というアドバイスが大きかったという。

「そう言ってもらってからは、プレー(で見せること)ならできると思って練習や試合のときもプレーで引っ張っていくようにしようと思いました」

 得意とするのは「高校に入ってから朝練習などシューティングの機会が増えて確率も上がった」というジャンプシュート。だが、3ポイントシュートに関してはインターハイに向けての課題だともいう。

「(サイズの)小さいチームなので前から詰めていくディフェンスと、強みの速攻で点を取りにいきたいです」と語ったキャプテンは、「チームで一番点を取りたいと思っていますが、ドライブからのシュートだけでなく、そこから味方にいいパスを送るようなチームプレーもしていきたいです」と、個人としての抱負も力強く言葉の残した。

■靭帯断裂から復帰した魂のガード

ケガから復帰した林 [写真]=田島早苗


 その吉田が、「ディフェンスが半端ない(笑)。背は小さいかもしれないけれど、思いっ切り飛んでリバウンドを取ってくるし、球際もものすごく強いです」と、笑顔で語るのがガードの林如春(3年)のことだ。

 隙あらば果敢にリングへと向かうなど強気のプレーが光る攻撃型ガードの林。得点やアシストに加え、持ち前のジャンプ力を生かしたリバウンドはとにかく目を引く。味方も称賛するリバウンドやルーズボールは、そこに重きを置いていた敷島中学校(山梨県)時代からのようで、高校生となった今も幾度となくチームのピンチを救ってきた。

 実は林、昨年の5月に自身2度目となる膝の靭帯断裂という大ケガを負っている。中学時代にも一度同じケガをしており、ケガの直後は心が折れたという。復帰までのリハビリがいかに大変か、一度経験しているからこそ、その道のりを考えれば無理もない。だが、林が復帰に向けて再び前を向いたのは仲間の存在が大きかった。

「(5月の)関東大会予選のとき、関東大会出場を決めた試合でケガをしてしまいました。でも、(その後の)関東大会では、みんなが頑張っている姿を見ていたら涙が出ちゃって。普段の練習からそうですが、みんなの姿を見て『また頑張るか』という思いになりました」

 復帰のためのリハビリ、復帰してからも全国大会出場を夢見て自主練習に励んだ。特に「ガードという立場なのでドリブル、それとフィニッシュのシュートで相手に押し負けないこと」に力を入れてきた。また、「練習では声を出して雰囲気作りも意識しました。それが自分のモチベーションにもなっていたので」と、声でもチームを盛り立てた。

 念願のインターハイ出場を決めたときには「率直にうれしくて、親に抱きつきに行っちゃいました」と、はにかんだ林。待ち受ける全国での戦いに向けては、「チームの強みがディフェンスなので、まずは自分がボールマンにプレッシャーかけること。そこから周りの選手もディナイを頑張る。また、大きい相手に対しての寄りの早さ、ローテーションの早さも含めてチームディフェンスを見せることができたらいいなと思います」と、語った。さらに自身についても「力強いディフェンスとガードとしてゲームを支配できるように」と、目を輝かせた。

 コートの上で大きな存在感を放つ林は、吉田について「私がガードで困っているときにボールもらいにきてくれて、シュートまで決めてくれるし、キャプテンとして心強い存在でもあります」という。

 この2年、全国で活躍する戦友を見て悔しい思いにかられた選手もいれば、先の見えない大ケガから復帰を果たした選手もいる。3年ぶりにインターハイ出場を決めた明星学園の選手達にとって夏に懸ける思いはそれぞれだ。

 待ちに待った大舞台が、いよいよ幕を開ける。大阪で行われるインターハイで、オレンジのユニフォームを身にまとった選手達は、積み重ねてきた努力と想いのすべてを、その舞台に刻む。

文・写真=田島早苗

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