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6月16日と17日に愛知県の小牧で行われた「第65回東海高等学校総合体育大会 バスケットボール競技」、いわゆる東海大会は男子が中部大学第一高校(愛知県)、女子が安城学園高校(同)の優勝で幕を下した。
女子の決勝戦は、新人戦とインターハイの愛知県予選決勝戦でも対戦した安城学園と桜花学園高校の組み合わせとなった。「インターハイ予選では(桜花学園に1年生ガードの)江村(優有)さんが入ったことでピックプレーや、センター陣のドライブを守れなかったんです。だから今回は最初からゾーンディフェンスを敷くことで伊森(可琳)さんとモハメド(早野夏)さんのドライブを止めようと考えたわけです」。安城学園を率いる金子寛治コーチの策が功を奏し、第2クォーターには桜花学園の得点を8点に抑えこんだ。「そこで選手たちも桜花学園さんに対する守り方がわかってきたようです」
またゾーンディフェンスを敷くことで、ボール運びができる182センチのオールラウンダー、野口さくらがより活きてきた。「野口自身も『ゾーンのほうがファストブレイクに行きやすい』と言ってきたんです。それを彼女が試合をやりながら覚えたことは収穫です。また試合でローテーションできる選手が増えたことも今大会の収穫ですね」。今大会の結果でインターハイの第1シードを獲得した金子コーチは手応えをそう口にした。
敗れた桜花学園の井上眞一コーチは「ディフェンスが急にダメになってしまった。なぜこうなったのか、全くわからない。とにかくディフェンスの立て直しからです」と言って、会場を後にした。
それをフォローするかのように伊森がゲームを振り返る。「やはり自分たちのバスケットができなくなったことが敗因だと思います。ディフェンスが悪くなってしまったのは、オフェンスの終わり方が良くなくて、それを引きずってしまったからだと思います。自分もドライブをしながら、フィニッシュのところでシュートを外してしまったので……」
今年の桜花学園は絶対的な選手こそいないが、それぞれが力を発揮すれば、やはり全国上位に食いこむ力はある。それだけに個々が力を発揮できないときにコート上でどう立て直すかが大きな課題を言えよう。
3位決定戦は前年度優勝校の岐阜女子高校(岐阜県)が、逃げる浜松開誠館高校(静岡県)に最後の最後で追いつくと、その勢いのまま延長戦で振りきって3位に入った。
東海の女子は例年のことながら、レベルが高い。3位決定戦のみならず、準決勝の安城学園と浜松開誠館の試合も延長戦までもつれこんでいるのだ。東海大会の4強が組み合わせ次第ではインターハイの4強になる可能性も十分に考えられる。高校女子の戦いは地方ブロック大会を終えてからが勝負の始まりかもしれない。
写真・文=三上太