2018.08.05

優勝候補の安城学園が岐阜女子伝統の堅守の前に敗退!

岐阜女子の藤田はゲームもコントロールして勝利に貢献[写真]=兼子愼一郎
バスケットボールキング編集部。取材歴は20年を数え、これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、今年も氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 愛知県予選では決勝で桜花学園高校に敗れ準優勝の終わったものの、東海大会を制して第1シードの座を獲得した安城学園高校と、昨年のインターハイチャンピオンで2連覇を狙う岐阜女子高校(岐阜県)が3回戦で激突した。

 ティップオフ直後は安城がペースをつかんだ。野口さくらにマークが寄るのを尻目に、深津彩生が2本の3Pを沈めてリードを奪った。このまま安城がペースをつかむかに見えただが、岐阜女子は池田沙紀のジャンプシュートを皮切りに8連続得点を決めてペースを渡さない。

 第2クォーターに入ると、岐阜女子の安江沙碧梨が躍動。ドライブからのバスケットカウント、スティールからの速攻を決めるなど、5連続得点をあげて安城に食らいついていく。残り6分48秒には岐阜女子は藤田和のジャンプシュートで逆転に成功。安城は那須みらいが速攻やレイアップを決めてすかさず反撃に出て、一進一退の展開となっていった。

 安城が29-26と3点リードで折り返した第3クォーターは攻防の切り替えが激しい展開となり、試合は一転して点の取り合いとなった。岐阜女子は池田、藤田、安江に加え、イベエスター・チカンソも得点に絡むようになり、バランスよく得点を重ねていく。対する安城もミスマッチを突いて穴澤冴がゴール下でポストアップして連続得点。さらに佐藤美怜が3Pを決めて、2点リードで最終クォーターに入っていった。

 ここから一気にスパートしたのが岐阜女子だった。試合開始直後から藤田が相手のエース、野口をフェイスガード気味に守ってほぼシャットアウト。その藤田が攻撃でもゲームをコントロールして次々と得点を挙げていく。岐阜女子は勝負の第4クォーターに安城の得点を5に抑えたディフェンスが効いて、安城に完勝。準々決勝進出を決めた。

 試合後、報道陣の前に立った安城の金子寛治コーチは「留学生に対するポストディフェンスは頑張ったけど、ファウルが込んでしまった。その他、やってはいけないことも出たり、起こりうるミスをさせてしまったのは、指導が甘かったから」と敗因を語った。この試合、5得点に終わったエースの野口に関して、「フェイスガード気味に守られていたのでの、他の選手に攻め気を出しても良かったと思う。那須が終盤レイアップに行けたけど、もっとやれたはず」とチームオフェンスの言及。さらに「選手は頑張っていたけど、それぞれプレーの精度をもっと上げなければいいけない」と今後の課題を語った。

 ロッカールームから出てきた野口は「(岐阜女子に)アジャストしようとしましたが、チームとして合わせきれないところもあり、相手のリズムを止められませんでした」と涙を流した。苦しんだ岐阜女子の守りに関して、「予想はしていましたが、どうやって攻めるか、考え切れていませんでした。そこでチームの動きが止まって、攻められなかったと思います」と言葉を振り絞る。そして、「これからも(自分への)マークは厳しくなると思うので、それにどのように対応するかが課題です」と、この敗戦から得たものをかみしめ、それを今後にどう生かしていくかを自身に言い聞かせた。

岐阜女子の徹底マークにあい、思いどおりにプレーさせてもらえなかった安城学園の野口[写真]=兼子愼一郎


 第1シードを破った岐阜女子は昨年からのメンバーに加え、下級生が伸びてきている。優勝候補を倒したことで、その存在が大会前よりも大きくなってきていると言えるだろう。

文=入江美紀雄

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