2019.12.25

明成との激闘を2点差で制した開志国際、“女王”桜花学園への挑戦権獲得「失うものは何もない」

2回戦で粘る明成を退けた開志国際[写真]=須田康暉
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 12月24日、各地で「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子2回戦が開催。エスフォルタアリーナ八王子にて行われた開志国際高校(新潟県)vs明成高校(宮城県)は、最終スコア72ー70で開志国際が勝利を収めた。

 試合は互いの意地と意地がぶつかり合い、最後まで勝敗がわからない展開。それでも開志国際は、第4クォーター終盤に伊藤和希(3年)が勝利を大きく手繰り寄せる連続3ポイントを決めて相手に競り勝った。

 しかし、指揮を執る伊藤翔太コーチに言わせれば、勝敗を分けたのは伊藤の3ポイントではなく、スピードの部分。「伊藤の3ポイントよりも、結局勝負を分けたポイントは自分たちの速さだと思っています。(第4クォーターに)ファストブレイクを3本連続で決めたこと。これがうちのバスケットだと思うんですよね。なので、それを明日も徹底させたいです」

主にゲームコントロールを担うキャプテンの木村[写真]=須田康暉

 開志国際の強みはジャンプショットを高確率で沈めるエースの山口里奈に加え、木村真唯、小野寺佑奈(いずれも3年)というアウトサイド陣。その中でも同校のスピードを先頭で体現するのが木村と小野寺の2ガードである。

 この試合では山口が26得点の活躍でエースとしての仕事を果たした。木村、小野寺も速さと思いきり良さでチームを引っ張り、ともに2ケタ得点をマーク。しかし、思うようなプレーができなかったと、2人とも試合後は反省の言葉を述べた。

「相手より1点でも多く得点をとることは大事ですが、第4クォーターで一度流れが来た時に、そのまま自分たちの流れに持っていけなかったです。もう1回相手のバスケをさせてしまい接戦になってしまったことは反省しています」(木村)

「勝ったことはすごく嬉しいですけど、試合の入りでリバウンドからの速攻が出せなかったです。第2クォーターからは徐々に自分たちのバスケができるようになったけど、ディフェンスとリバウンドが徹底できてなかったので、そこが明日に向けての改善点です」(小野寺)

小野寺は何度も相手を切り裂いた[写真]=須田康暉

 試合には勝ったが、チームとしては満足できる試合ではなかった。しかし、トーナメントを勝ち進んでいる以上、試合は待ってくれない。25日のベスト8をかけた一戦は“女王”桜花学園高校(愛知県)と激突する。

 チームのキャプテンでもある木村は「そこを目標に1年間バスケをやってきた」と明かし、「失うものは何もないので、自分たちが1年間やってきたことを全て出しきる気持ちでみんなと戦っていきたいです」と意気込む。

 一方の小野寺も「まずはディフェンスでプレッシャーをかけて、ファストブレイクからどんどんアタックを仕掛けて楽しい試合にしたいです」と前を向いた。

「明日は人任せにするのではなく、全員がガツガツ攻めるという気持ちでやっていきたい。ファウルトラブルを気にせずに走る、ハードにやることを1年間ずっと取り組んできたので、明日はそれを120パーセント出せるように挑戦したいと思います」(伊藤コーチ)

エースとしてチームを引っ張る山口[写真]=須田康暉

 開志国際vs桜花学園の顔合わせは今年初対決。桜花学園の2年生ガードに対し、木村と小野寺がマッチアップで主導権を握れるかどうかが、勝利へのポイントになりそうだ。

文=小沼克年

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