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7月27日に行われた「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の男子3回戦。第1試合に組まれた洛南高校(京都府)vs東海大学付属諏訪高校(長野県)は最後まで行方のわからない展開となったが、東海大諏訪に軍配が上がった。
最終スコアは60−63。今大会の第1シードに入り、6年ぶりのインターハイに臨んだ洛南はあと一歩及ばなかった。
この日は、終始相手のゾーンディフェンスに苦しみ続けた。「始めからゾーンでいくのは決めていた」と試合後に述べた東海大諏訪の入野貴幸コーチに対し、「どこかでくるとは思っていましたけれど、最初からやってくるとは思いませんでした」と洛南・河合祥樹アシスタントコーチは言う。
「今年のチームが上手くいかなかったときは、全てゾーンディフェンスをされた試合でした。それもあって、ノーマークで打てるプレーも作り、ゾーンの練習はしっかりやってきましたが、決め切る力がなかった。苦しかったです」と河合ACは続け、試合を振り返った。
キャプテンの岩屋頼(3年)も、「どの相手とやってもゾーンをされると攻めが難しくなる」と今の弱さを認める。また、この日の2ポイント成功率は東海大諏訪の51パーセントに対して洛南は41パーセント。最終盤で3ポイントシュートを沈めた相手に比べ、洛南は“あと一本”が出なかった。
アウトサイドシュートを得意としている大西一輝(3年)は「最初に1本決めることができたのですが、そのあとは流れに乗れなかったです」と精度を欠き、6得点に留まった。また、ディフェンスでもミスを犯してしまい、後半はほとんどの時間をベンチで過ごすことに。「スイッチしたときに自分が簡単に3ポイントシュートを打たれてしまいました」と大西。これについて河合祥樹ACは、「前半、やられてはいけないシュートを2本くらいやられました。僕の中でそれが(チームにとって)マイナスになるかなと思ったので怖くて出せませんでした」と明かした。
「もっと冷静にプレーして、外からのシュートや周りを生かしたプレーをすればよかったです」と、自身の出来を悔やんだのは司令塔の役目も担う岩屋頼(3年)だ。試合中マッチアップした髙山鈴琉(2年)は、京都精華学園中学時代の先輩・後輩の関係であり、「あまり意識はなかったんですけど、負けられないなという気持ちはありました」と岩屋。強気なアタックや勝負どころでも得点を決めた髙山のプレーには「外のシュートを決められたり、先手を取られたりしていたので、そういう意味では僕の方がやられたと思っています」と相手を称えた。
河合祥樹ACは今回の結果を受け、「ちょっと曖昧にしすぎた部分がありました」と大会へ向けての準備不足を反省。「『これくらいできていれば大丈夫』ではなく『1回でもやられてはダメなんだ』というように、もっと細かく徹底しなければいけないです」と今後を見据える。
吉田裕司コーチにアドバイスを受けつつも、現在は先頭に立って指揮を執る河合祥樹AC。指導者として初の全国大会に挑んだこの経験を糧に、自身としても、チームとしてもさらなる成長を目指す。
写真=伊藤 大允
取材・文=小沼克年