2021.08.10

インターハイ初出場の鎮西学院、最後までもつれた熱戦制し岐阜女子との2回戦へ

チーム一丸となってインターハイ初勝利を挙げた鎮西学院[写真]=伊藤 大允
フリーライター

 女子日本代表が史上初の快挙を成し遂げてからわずか2日後、新潟市では高校生たちによる金メダルをかけた戦い、「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が開幕した。

 8月10日の新潟市東総合スポーツセンターのAコート第1試合に組まれたのは、白鷗大学足利高校(栃木県)vs鎮西学院高校(長崎県)。試合はオープニングゲームにふさわしい白熱した展開となり、60-59で初出場の鎮西学院が競り勝った。

 初のインターハイという緊張もあってか、立ち上がりは0-7と出遅れた。それでも鎮西学院は「バスケットは40分あるので、『焦らず、1本ずつ』と声を掛けました」という内野夏実コーチの言葉に応えるように、次第に足を使ったディフェンスが機能。第3クォーター終了時点で同点に追いついた。最後の10分間はリードチェンジを繰り返して互いに激しさが増すも、1点を追う試合終了残り5.1秒、オフェンスリバウンドをもぎ取った髙見桃果(3年)がゴール下のシュートを沈め、これが決勝点となった。

「素直にうれしいですね。40分間、本当に選手が我慢して戦ってくれました。うちにエースはいませんが、一人ひとりがリバウンド、ルーズボールを頑張ってみんなでつないだ結果だと思います」。内野コーチは勝利を噛み締め、選手たちの戦いぶりを評価した。

決勝点を挙げた髙見はチームのムードメーカー役も担う[写真]=伊藤 大允

「とにかくうれしいです」と安堵の笑みを浮かべたのは、決勝点を挙げた髙見。「自分は第3クォーターまで何もできていなかった分、最後に何かやらないといけないと思っていましたし、絶対に決めるという気持ちがありました」と、最後の局面について話した彼女の身長は、165センチと決して高くはない。しかしこの試合では、7得点に加え合計9リバウンド中5つのオフェンスリバウンドを奪ってチームに勢いを与える活躍をみせた。

「普段はみんなが落ち込んだときや暗くなったときに、励ましたり笑かしたりするのが役目」(髙見)というムードメーカーが勝利に貢献したことは、チームにとっても一層うれしい全国初勝利になったことだろう。

 40分間全員で走り抜き、今大会第1シードの岐阜女子高校(岐阜県)への挑戦権を得た。「強いイメージしかないです(笑)」と、髙見は弱気とも取れる言葉を口にしたが、「とてもレベルの高いチームと試合ができので、ビビらずに挑戦して1つでも通用するプレーを見つけたい」と、明日の試合を見据えた。

取材・文=小沼克年