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『B MY HERO!』
今年の夏を制した桜花学園高校(愛知県)。185センチの朝比奈あずさ(3年)と179センチの森美麗(2年)がインサイドで強さと上手さを見せるが、夏は準決勝でともに188センチの留学生2人を要する京都精華学園高校(京都府)の高さに苦戦を強いられた。
だが、そんな苦しい状況においてチームを救ったのがディフェンスだ。インターハイでは、初戦となる2回戦から準々決勝までの3試合で平均失点は46.7点。準決勝でも、それまで高得点を叩き出していた京都精華学園の得点を63点に抑え、大阪薫英女学院高校(大阪府)との決勝では爆発力のある相手に対して容易に得点を与えず、94-65で勝利した。
朝比奈をはじめ、外角シュートに定評のある平下結貴(3年)やガードの伊波美空(3年)に横山智那美(2年)と、得点力のある選手がそろうが、鉄壁の防御を持ち合わせるのも桜花学園の強さの一つ。インターハイ以降も強化を図り、11月のウインターカップ県予選でも堅いディフェンスを披露。「今までは個人で守っていたところが多かったけれど、チームでしっかり守る意識を持ってやってきて、それが少しずつ良くなってきていると感じます」と朝比奈も手応えを感じていた。
選手に目を向ければ、主力メンバーに大きな変動はないものの、井上眞一コーチが「成長している」というのが横山だ。「スピードと『目』。視野が広くなった」(井上コーチ)と言うように、ウインターカップ県予選の決勝では落ち着いたパス回しを見せたかと思えば、時に自らが果敢に攻め込むプレーを見せるなど、状況に応じた動きでチームに流れを引き寄せていた。
「インターハイを優勝したことで自分のプレーに自信を持ってできています。スタートで試合に出させてもらっているので、自分がダメになればチームも負けてしまう。覚悟を持ってやろうという気持ちになっています」と横山。さらには、「先を見るのではなく、一つ一つの試合を全力で戦い、最後は3年生も含めて全員が笑顔で終われるように思いっきりプレーしたいです」とウインターカップに向けて意気込みを語った。
ウインターカップを見据え、井上コーチは「ディフェンスと(リバウンドの)ボックスアウト」をポイントに挙げる。選手たちも「リバウンドとディフェンスを一番大事にしています」(横山)と指揮官と思いは同じだ。
今大会は優勝すれば井上コーチの全国大会優勝回数が70回となる。持ち前のディフェンスを武器に、夏に続いて2冠獲得はもちろん、井上コーチにとっても、チームにとってメモリアルな大会にしたいところだ。
文=田島早苗