2021.12.17

【ウインターカップ2021注目チーム】桜花学園「高い攻撃力と堅固なディフェンスで夏に続いて優勝を引き寄せるか⁉」

夏との2冠、大会3連覇を目指す桜花学園 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

今年の夏を制した桜花学園高校(愛知県)。185センチの朝比奈あずさ(3年)と179センチの森美麗(2年)がインサイドで強さと上手さを見せるが、夏は準決勝でともに188センチの留学生2人を要する京都精華学園高校(京都府)の高さに苦戦を強いられた。

だが、そんな苦しい状況においてチームを救ったのがディフェンスだ。インターハイでは、初戦となる2回戦から準々決勝までの3試合で平均失点は46.7点。準決勝でも、それまで高得点を叩き出していた京都精華学園の得点を63点に抑え、大阪薫英女学院高校(大阪府)との決勝では爆発力のある相手に対して容易に得点を与えず、94-65で勝利した。

朝比奈をはじめ、外角シュートに定評のある平下結貴(3年)やガードの伊波美空(3年)に横山智那美(2年)と、得点力のある選手がそろうが、鉄壁の防御を持ち合わせるのも桜花学園の強さの一つ。インターハイ以降も強化を図り、11月のウインターカップ県予選でも堅いディフェンスを披露。「今までは個人で守っていたところが多かったけれど、チームでしっかり守る意識を持ってやってきて、それが少しずつ良くなってきていると感じます」と朝比奈も手応えを感じていた。

選手に目を向ければ、主力メンバーに大きな変動はないものの、井上眞一コーチが「成長している」というのが横山だ。「スピードと『目』。視野が広くなった」(井上コーチ)と言うように、ウインターカップ県予選の決勝では落ち着いたパス回しを見せたかと思えば、時に自らが果敢に攻め込むプレーを見せるなど、状況に応じた動きでチームに流れを引き寄せていた。

「インターハイを優勝したことで自分のプレーに自信を持ってできています。スタートで試合に出させてもらっているので、自分がダメになればチームも負けてしまう。覚悟を持ってやろうという気持ちになっています」と横山。さらには、「先を見るのではなく、一つ一つの試合を全力で戦い、最後は3年生も含めて全員が笑顔で終われるように思いっきりプレーしたいです」とウインターカップに向けて意気込みを語った。

ウインターカップを見据え、井上コーチは「ディフェンスと(リバウンドの)ボックスアウト」をポイントに挙げる。選手たちも「リバウンドとディフェンスを一番大事にしています」(横山)と指揮官と思いは同じだ。

今大会は優勝すれば井上コーチの全国大会優勝回数が70回となる。持ち前のディフェンスを武器に、夏に続いて2冠獲得はもちろん、井上コーチにとっても、チームにとってメモリアルな大会にしたいところだ。

文=田島早苗

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