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初優勝を果たした2017年を含め、岐阜女子高校(岐阜県)は2015年から5大会連続でインターハイ決勝へ駒を進めていた。しかし今年は、その手前の準決勝で敗退。大阪薫英女学院高校(大阪府)に試合終了残り1分を切ったところで逆転を許し、56−57で敗れた。
岐阜女子のチームカラーと言えば、鍛え抜かれた脚力で相手の攻撃を封じるディフェンスが真っ先に挙げられる。今夏のインターハイでも、その堅守からのファストブレイクで対戦相手を大いに苦しめ、戦った4試合の平均失点はわずか52.2点。ウインターカップでもチームディフェンスを最大の武器にトーナメントを駆け上がる青写真を描いているだろう。
一方、オフェンスに関しては「得点が少なすぎるので、もう一回見直します」と、安江満夫コーチは得点力不足を嘆いてインターハイを後にした。今年、岐阜女子の得点源を担うのはアググア チカ チュクウと藤澤夢叶(ともに3年)の2人。チュクウは高さとパワーを生かしてゴール下を制し、藤澤は抜きん出たスピードとテクニックを駆使して積極果敢にリングへアタックする攻撃型ガードだ。
今年のインターハイは、この2人が毎試合のように20得点以上をマークしてチームを勝利へ導いた。だが、他の選手は1ケタ得点を挙げるに留まり、どうしてもチュクウと藤澤に頼ってしまう傾向が見られた。藤澤も「自分と留学生のところで得点を取ることを第一に考えながらも、他の選手ももう少し点を取れるようにしていきたい」と話しており、ウインターカップではディフェンスよりもオフェンス力の向上が優勝へ向けてのカギになるだろう。
前回大会は昭和学院高校(千葉県)に逆転負けを喫し、3回戦で姿を消した岐阜女子。チームとしては6月の東海大会決勝で桜花学園高校(愛知県)に勝利しているだけに、今年最後の大舞台でライバルとの再戦を臨んでいるだろうか。ともに勝ち進めば、準決勝で岐阜女子vs桜花学園が実現する。女子の高校バスケ界の2強とも評される両者の対戦は、きっと多くのバスケファンも楽しみにしているはずだ。
文=小沼克年