2022.07.17

インターハイ女子注目校(5)岐阜女子「東海大会の敗戦は夏を見据えた貴重な経験に」

2年生が主力に多い岐阜女子。大会中の成長にも期待 [写真]=山田智子
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 7月27日から8月1日にかけて香川県で行われる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。熱戦が期待される夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム(5)岐阜女子(岐阜)

 インターハイでは、2017年以来となる優勝を狙う岐阜女子高校(岐阜県)。だが、6月18、19日に行われた「第69回東海高等学校総合体育大会」(以下東海大会)では決勝で桜花学園高校(愛知県)に敗れて準優勝。前年の東海大会では藤澤夢叶(現・山梨学院大学1年)の活躍もあり桜花学園に逆転勝ちを収めて優勝を飾ったが、今年は56−107と思わぬ大差での敗戦となった。

 しかし、「(桜花学園は)アウトサイドもしっかりしていて、そつがないチーム。強いて言えば(相手の)インサイドを突こうと思っていましたが、まだ突くまでの力がうちにはありませんでした」と安江満夫コーチは淡々とした口調で決勝を振り返る。

 今のチームは昨年からスターターが大きく入れ替わり、U16女子日本代表でもある榎本麻那(2年)をはじめ、主軸に下級生が多い。そのため、東海大会では「決勝まで行くことが一つの目標でした」と安江コーチ。また、「今の段階では(桜花学園と)勝負するまでの力はないし、そういったことも選手たちは分かっていると思います。ただ、自分たちの立ち位置を確認することで、インターハイに向けてどう戦っていくか、一つの目安できると思っています」と加えた。

 東海大会では名古屋経済大学高蔵高校(愛知県)との準決勝を62−60と辛勝。例年と比べれば東海大会では苦しんだ。だが、若いチームは今、土台をしっかりと固めているところ。接戦を強いられながらも決勝へと勝ち進み、インターハイでも優勝候補筆頭に挙げられる桜花学園と戦ったことが、夏の全国に向けたチーム作りの大きな指針となる。

 東海大会では、これまで全国大会の経験がなかった下級生たちの課題点も把握できたと安江コーチは言う。日本代表として「FIBA U16女子アジア選手権大会 ヨルダン2022」に出場した176センチの榎本をはじめ、髙桑利加(178センチ)、絈野夏海(172センチ)ら将来性豊かな2年生がそろっているチームが、本物の強さを身につけていくのはこれから。

将来性のある2年生の一人、得点源となる高桑 [写真]=山田智子


 東海大会から約1カ月後に向かえるインターハイ。基盤となるディフェンスを武器に、進化した姿を決戦の地・香川で披露したい。

文=田島早苗
写真=山田智子

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