Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
注目の一戦は桜花学園が京都精華学園を退け勝利
桜花学園にとっては、絶対に負けられない一戦だった。
11月13日、愛知県名古屋市の中村スポーツセンターにて「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」が行われ、桜花学園高校(愛知県)と京都精華学園高校(京都府)とが対戦した。
昨年のウインターカップでも決勝で対戦している両チーム。今年度も新チーム当初からどちらも前評判が高く、夏のインターハイでも優勝候補に挙げられていた。しかし、インターハイでは3回戦で対戦。試合は終盤までもつれた中、残り0.2秒で京都精華学園が勝ち越しのシュートを沈め、65−63で大一番を制した。その後、京都精華学園は決勝まで駆け上がり、インターハイ初優勝を果たしている。
そのため、このU18トップリーグが、桜花学園にとっては『リベンジマッチ』となった。
試合は、出だしから両者譲らず。だが、「インターハイでは出だしでみんなが止まってしまい、ボールマンが孤立しオフェンスが停滞したので、(今回は)動きながら相手ディフェンスをかく乱してカオスな状態にするというのをテーマにしていました」(長門明日香アシスタントコーチ)という桜花学園は、第1クォーター中盤から菊地実蘭(3年)や田中こころ(2年)の3ポイントシュートで先行。第1クォーター終盤に点差を詰められた場面はあったものの、第2クォーター序盤には再び速攻や3ポイントシュートなど多彩な攻撃で京都精華学園を引き離し、一時は9点差を付けた。
しかし、「第2クォーターで孤立状態がまた起こり、オフェンスが重くなってしまいました」(長門AC)という桜花学園は第2クォーター中盤以降、約4分間を無得点。逆にその間にイソジェ ウチェ(3年)や橋本芽依(1年)らで得点を挙げた京都精華学園に追いつかれると、終了間際に逆転を許して、前半を1点ビハインドで終了した。
「夏に負けた分、ここで勝ちたいという思いがあり、選手みんなの気持ちが最後まで入っていました」と、長門AC。また、「ポストであまりやらせないというのは成功したのかなと思います」とも語り、夏には26点を献上したウチェをはじめ、インサイドでの失点を少なくできたことも勝因だと語った。
夏以降の成長が著しい桜花学園・菊地が躍動
この試合、桜花学園はエースの横山智那美(3年)の21点に次ぐ16点を挙げたのが菊地だ。インターハイではバックアッププレーヤーだったが、このU18トップリーグではU18女子日本代表活動などで横山ら数名が不在の期間だけでなく、選手がそろった現在もスターターとして出場。どの試合も2桁以上の得点をマークし、ポイントゲッターとして勝利に貢献している。
174センチの菊地は3番ポジションを担っているが、体の強さもあり、マークマンとのミスマッチができれば、ポストアップからの得点など、内外と攻撃を仕掛けることのできる選手。今回の京都精華学園戦では、勝負を決定付けたともいえる3ポイントシュートを終盤に沈めたが、本人も味方のキックアウトからパスを受けての3ポイントシュートには「自信があります」という。
「キツイ練習の中でも一番声を出すことや、ランニングトレーニングも頑張って走ってきたし、そういうところは3年生としての責任持ってやったので、個人的にはインターハイ前よりも成長できているのかなと思います」と、インターハイ以降の取り組みを語った菊地。「アグレッシブにプレーすることを意識している」という3番プレーヤーの台頭は、チーム力アップに大きくつながったといえるだろう。
「ベンチもコートの中も一体になっていたし、みんなで強気でやろうというのは最初から言っていて、それがプレーに出たことで、ファールがもらえたり、いいところでシュートと決まったりしたと思います」と、試合を振り返った菊地。また、ウインターカップに向けては「チームがいい流れになるようなアグレッシブなプレーをして、誰よりも走ってブレイクから攻めることができるように頑張りたいです」と、笑顔で抱負を語った。
取材・文・写真=田島早苗