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桜花学園高校(愛知県)が「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の優勝に王手をかけた。
7月29日に北海きたえーるで行われた大阪薫英女学院高校(大阪府)との準決勝は第1クォーターから接戦の展開。それでも、第2クォーターから一度もリードを許さず、最終スコア74-59と15点差で勝利を収めた。
先発で出場していた松本加恋を大会中の負傷で欠くなか、東小姫が10得点5リバウンド、阿部心愛が9得点7リバウンドと、ベンチから出場した2人が躍動。長門明日香コーチはバックアップメンバーの活躍に「成長をうれしく思います」と喜んだ。
U16日本代表の阿部は130-55で圧勝した初戦を除き、7分40秒、14分22秒とプレータイムが限られていた。だが、試合の状況次第で「すぐ使う」と長門コーチが言ったとおり、大阪薫英女学院戦では33分14秒の出場。「ケガをして試合に出られなくなり、先輩はすごく悔しいと思います。自分が先輩の思いを背負ってやらなければいけないと思って試合に出ました」
チーム内での役割は、175センチの身長を活かした「リバウンド、ディフェンス、泥臭いプレー」。16日まで行われた「FIBAU16女子アジア選手権大会2023」での経験を持ち帰り、プレーしているという。
「世界をとおして、身長が高い相手に対してどのようにリバウンドを取るのか。そういったボールの取り方を学べたので、飛び込みリバウンドを意識するようになりました。フィニッシュの打ち方では、相手が高い時に工夫すること。世界で学んだことをインターハイに活かせています」
阿部には双子の妹がいる。聖和学園高校(宮城県)の阿部友愛だ。仙台第一中学校出身で、ともに桜花学園へ進学する可能性もあったというが、高校は別々の道を歩むことになった。心愛が明かす。
「妹は『自分は地元で頑張る』と。自分は桜花で揉まれながら頑張りたいという意見の違いがあって、(高校は)分かれることになりました。一緒にやりたかったですけど、妹のことを尊重しました」
今大会では聖和学園が惜しくも準々決勝で敗退。準決勝での姉妹対決は実現しなかった。「(準々決勝での試合後)悔しくてすごく泣いていました。双子なので、こっちにもグッとくるものがあって。(大阪薫英女学院を)倒そうと思っていました」と、妹の思いも背負ってコートに立った。愛知県と宮城県。互いに離れていても日々やり取りしているようで、北海道の地に来ても「昨日も『絶対に倒してね。頑張ってね』というLINEが届きました」というほどの姉妹仲だ。
「決勝でもリバウンドを取ってチームに貢献したいです。オフェンスでは消極的になる部分が多いので、もう少し自分のシュートを狙っていきたいです」。阿部は通算26度目のインターハイ制覇に向け、先輩、妹の思いを背負って頂上決戦に挑む。