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昨年大会は決勝で惜しくも敗れて準優勝となった福岡第一高校(福岡)にとって今年のウインターカップはリベンジとなる。
その中で優勝への鍵を握るのがガードの山口瑛司(3年)だ。山口は、力強いドライブからのシュートやパスと、攻撃の起点となるガード。速攻に積極的にからむなど脚力もあり、今年は西福岡中学時代からのチームメートである崎濱秀斗(3年)とともにダブルキャプテンとしてチームをけん引してきた。
しかし、チームは9月23日の試合でエースの崎濱が足を骨折。長期離脱することになってしまった。このピンチともいえる状況で山口は、「秀斗は得点など苦しいときにチームを助けるプレーをしていたので、そういう役割を自分がやろうと思っていました」と、崎濱不在の中で戦ったウインターカップ福岡県予選や11月まで約2カ月にわたって行われた『U18日清食品トップリーグ』では懸命にオフェンスを組み立て、時に果敢にリングへと向かった。だが、「負けた試合は全部、自分がチームを助けることができなかったので、今後はそれができるようにしたいです」と、山口は課題を挙げる。
「部員113人いるので、チームとしての思いを一番背負っているのは福岡第一高校。そこが自分たちの強さでもあるので、みんなの思いを背負って最後の大会に挑みたいと思います」
大所帯を引っ張るキャプテン。ウインターカップでは崎濱の復帰が見込まれるが、相棒を失った時間にもがきながらも前へと進もうとした山口が、冬の全国ではたくましい姿でチームを引っ張ってくれるに違いない。
文=田島早苗