2023.12.08

「命運握る司令塔…武器を増やし頂点目指す」山口瑛司(福岡第一)/ウインターカップ2023注目選手

ダブルキャプテンとして福岡第一をけん引してきた山口瑛司[写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 昨年大会は決勝で惜しくも敗れて準優勝となった福岡第一高校(福岡)にとって今年のウインターカップはリベンジとなる。

 その中で優勝への鍵を握るのがガードの山口瑛司(3年)だ。山口は、力強いドライブからのシュートやパスと、攻撃の起点となるガード。速攻に積極的にからむなど脚力もあり、今年は西福岡中学時代からのチームメートである崎濱秀斗(3年)とともにダブルキャプテンとしてチームをけん引してきた。

 しかし、チームは9月23日の試合でエースの崎濱が足を骨折。長期離脱することになってしまった。このピンチともいえる状況で山口は、「秀斗は得点など苦しいときにチームを助けるプレーをしていたので、そういう役割を自分がやろうと思っていました」と、崎濱不在の中で戦ったウインターカップ福岡県予選や11月まで約2カ月にわたって行われた『U18日清食品トップリーグ』では懸命にオフェンスを組み立て、時に果敢にリングへと向かった。だが、「負けた試合は全部、自分がチームを助けることができなかったので、今後はそれができるようにしたいです」と、山口は課題を挙げる。

日清トップリーグでは個人3位の4.9アシストをマークした山口。飛び道具にも磨きをかける[写真]=伊藤大允


 また、プレーでも得点源の一人である崎濱が不在となると、相手のマークはより山口に集中する。それにより簡単に点を奪うことができないため、「自分のドライブはすでに相手に知られていると思うので、アウトサイドのシュートをもっと精度を上げて、攻撃のバリエーションを増やすようにしました」と山口。そこはウインターカップに向けてもさらにレベルアップが求められると捉えており、「勝つには一番必要なことなのでこれからもやっていかないといけないです」と、力を込めた。

「部員113人いるので、チームとしての思いを一番背負っているのは福岡第一高校。そこが自分たちの強さでもあるので、みんなの思いを背負って最後の大会に挑みたいと思います」

 大所帯を引っ張るキャプテン。ウインターカップでは崎濱の復帰が見込まれるが、相棒を失った時間にもがきながらも前へと進もうとした山口が、冬の全国ではたくましい姿でチームを引っ張ってくれるに違いない。

文=田島早苗

BASKETBALLKING VIDEO