2023.12.27

ウインターカップ2023女子準決勝見どころ「昨年と同じ顔合わせ…挑戦者の東海大福岡、岐阜女子はリベンジなるか」

準決勝に進出した(左から)京都精華、東海大福岡、札幌山の手、岐阜女子 [写真]=バスケットボールキング
フリーライター

 12月26日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決定した。27日にメインコートで行われる準決勝は京都精華学園高校(京都府)vs東海大学付属福岡高等学校(福岡県)、札幌山の手高等学校(北海道)vs岐阜女子高等学校の2試合。奇しくも前回大会と同じ顔合わせとなった。

◾️挑戦者の東海大福岡はインサイド陣がキーマン

 大会連覇を目指す京都精華学園高校は、ここまでの3試合を危なげなく突破した。注目された浜松開誠館高校(静岡県)との初戦を20点差で勝利すると、続く県立下妻第一高校(茨城県)戦も95−67で快勝。インターハイ8強の聖和学園高校(宮城県)との準々決勝では、2試合連続で全選手がコートに立って27点差で勝利を収めた。

 一方の東海大福岡は、シード校の京都精華学園よりも多い計4試合を勝ち抜いた。準々決勝では大阪薫英女学院高校(大阪府)と対戦し、競り合いながらもリードされる展開が続いた。残り1分30秒でスコアは58−63。しかしここから浜口ゆず(1年)の連続得点で同点に追いつき、チャラウ アミのブロックショットから伊東友莉香(ともに2年)が逆転弾を沈めて試合をひっくり返した。

ここまでインサイドで抜群の働きを見せている東海大福岡のチャウラ[写真]=バスケットボールキング


 前回大会では70−47で京都精華学園に軍配。再び挑戦権を手にした東海大福岡は、昨年も先発を担ったガードの境さくらと伊良部由明(ともに3年)、パワーフォワードの伊東がチームをけん引したい。カギを握るのはインサイド陣。相手のエースである八木悠香(3年)へのマークが予想される伊東、2人の留学生センターを相手にするチャラウがどこまで対抗できるか。

 京都精華学園としては、思い切りの良さが光るルーキー2人を勢いに乗せたくない。先発の浜口だけでなく、ベンチスタートの東口紅愛も攻守で存在感を示しているため、橋本芽依、桃井優の2年生コンビの働きが重要。相手が敷いてくるゾーンディフェンスを打開するには、司令塔・堀内桜花(3年)の発想力も問われる。

京都精華学園は橋本芽依ら2年生の活躍にも期待がかかる[写真]=バスケットボールキング

◾️岐阜女子は札幌山の手の攻撃力を抑えられるか

 準々決勝では、千葉経済大学附属高校(千葉県)相手に95−54の大差で勝利した札幌山の手。今大会の山場となったのは県立足羽高校(福井県)との3回戦だ。この一戦では第4クォーター終盤に5点差を追いついて延長戦へ突入。オーバータイムでは得点源の1人である大山瑚南菜(3年)が12得点の活躍を見せ、最後は94−79で接戦を制した。

 岐阜女子はベスト4をかけて桜花学園高校(愛知県)と激突。試合は第1クォーター中盤からペースを握られる展開となり、第4クォーター序盤で21点ものビハインドを背負った。だが、タイムアウトを挟んで絈野夏海(3年)の3ポイント攻勢に出ると、エースが期待に応えてノーミスで7本の3ポイントをマーク。終了残り40秒で1点差まで詰め寄ると、同10秒にはジュフ ハディジャトゥ(3年)がオフェンスリバウンドから決勝点を挙げ大逆転でメインコートに辿り着いた。

3ポイント成功数で大会トップを走る岐阜女子の絈野[写真]=バスケットボールキング


 10月の「U18日清食品 トップリーグ」の対戦では、32点差で岐阜女子が勝利している。しかし、昨年のウインターカップ準々決勝を振り返ると、札幌山の手は16点差で勝利を収めて多少の余力を残し、岐阜女子は3点差の競り合いを制して勝ち上がった。その差もあってか、準決勝は98−68で札幌山の手が完勝。今大会の岐阜女子は札幌山の手より1試合多いため、相手以上にチーム一丸で戦わなければならない。

 ともに堅守を持ち味としながらも、札幌山の手は大山、谷口憂花(3年)の両フォワードを軸に3試合連続で85点を超える得点をマーク。引き続き高いオフェンス力を発揮するか、それとも岐阜女子が強固なディフェンスでロースコアゲームに持ち込むか。注目の準決勝は、京都精華学園vs東海大学付属福岡が10時、札幌山の手vs岐阜女子は11時40分ティップオフだ。

準々決勝では36得点をあげた札幌山の手の谷口[写真]=バスケットボールキング


文=小沼克年