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京都精華学園高校(京都府)のルーキー・満生小珀にとって、初めてのインターハイは最高の結果となった。
「3年生を勝たせてあげられて、めっちゃうれしいです」
優勝した素直な気持ちを表した口調には、まだあどけなさが残る。しかし、入学してまだ5カ月ながら、すでに“3年生を勝たせる”という意識を持っていることに大物感が垣間見えた。
大会3連覇を成し遂げた「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」では、6、7番手の選手として全5試合に出場。ともに1点差で競り勝った桜花学園高校(愛知県)との3回戦、岐阜女子高校(岐阜女子)との決勝戦でも得点をマークし、準決勝の昭和学院高校(千葉県)戦では27分28秒のプレータイムで12得点の活躍を見せた。
コート上で意識していることは「1年生として先輩たちを下から持ちあげる、みたいな(笑)」と、満生は白い歯を見せる。具体的には、「試合の流れを良くするために、ディフェンスは『絶対に抜かれない』という気持ちで粘り強く守って、オフェンスでは得意のドライブで相手をかき回して、得点とアシストでも貢献することを意識しています」と続けた。
中学3年次に出場した「京王 Jr.ウインターカップ2023-24」では、持ち味の得点力を発揮して、たんぽぽバスケットボールクラブをベスト8まで導いた。しかし、準々決勝では自身の29得点も実らず77-102で敗戦。その時の相手が京都精華学園中学校であり、高校進学の際、満生の決断に影響を与えたチームだった。
「ジュニアウインターカップで京都精華と戦ったんですけど、すごく強くて……。その時に高校では京都精華でプレーしてみたいなと思いました」
高校進学後も早々に出場機会を与えられたものの、京都精華学園は直近2年でインターハイとウインターカップを連覇している強豪校。周りにも世代を代表する選手がそろうため、これまで同様に個人プレーばかりではチームに必要とされない。現在の満生は自身の強みを生かしながらも、より周りを見ることにも重きを置いていると話す。
「中学のクラブチームではほとんどのプレーが一対一でした。けど、京都精華に来てからは5人でローテーションしてディフェンスをすること、オフェンスでは合わせのプレーなどを学んでいます」
日本一を夢見て京都精華学園に加入した満生は、最初の全国大会でさっそく結果を残した。これからは京都精華学園の中心選手として一層マークされるはずだ。期待のルーキーは、「ドライブとシュートもまだまだですけど、基本的なディフェンスやルーズボール、リバウンドをもっと徹底してチームに貢献できるようになりたいです」と今後のレベルアップを誓った。
満生小珀が今後の京都精華学園を背負う存在になっていくと思うと、楽しみで仕方がない。
取材・文=小沼克年