2023.09.03

「一つの言葉で、今まで以上の力を発揮できる」…日本代表主将・富樫勇樹が語るホーバスHCの言葉の魔力

選手から厚い信頼を寄せられるホーバスHC[写真]=Getty Images
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 9月2日に沖縄アリーナで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の17-32位決定ラウンドが行われ、グループOでは男子日本代表(FIBAランキング36位)がカーボベルデ代表(同64位)に80-71で勝利。アジア1位を確定させ、「2024年パリオリンピック」の出場権を自力で獲得した。

 今大会でキャプテンを務め、見事チームを48年ぶりのオリンピック自力出場権獲得という偉業達成に導いた富樫勇樹。そのゲームメイクや要所での3ポイントといった活躍も光ったが、試合後の取材でことさら強調したのはトム・ホーバスヘッドコーチについてだった。

「トムさんって本当にすごいです」という言葉から語り始めた富樫。まずは「日本バスケに合ったチームを考えた」とホーバスHCの戦術家の一面を称賛しつつも、それよりも「すごい」というのは選手とのコミュニケーションの部分だったようだ。

「チームを作る上で全員のモチベーションもそうですし、自信もつけてくれる監督で、一つ一つの言葉にもすごく重みがある」と話した富樫は、「女子をオリンピック銀メダルに導いた時もそうだと思いますけど…」と2021年の東京オリンピックで女子日本代表を準優勝に導いた実績も引き合いに出しつつ、「本当に一つの言葉でその選手が今まで持っていたもの以上の力を発揮できる」と選手の潜在能力を引き出すHCの言葉の魔力を讃えた。

 実際、オーストラリア戦の前にもホーバスHCは富樫にその“言葉”を授けていたようで、「僕の目を真っ直ぐ見つめて、『明後日勝ったら次のラウンド行けるよ』」と伝えたとのこと。その影響もあってか、結果としてチームは敗れたものの富樫はオーストラリアとの試合で14得点7アシストと躍動している。

 最後に「トムさんなくしてこの結果はあり得ない」と指揮官への全幅の信頼を表した富樫。選手の力を引き出し、成長を促すホーバスHC率いる日本代表は、1年後どのようなレベルに到達しているのか。2024年のパリオリンピックが今から楽しみだ。

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