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第22回Wリーグ プレーオフ ファイナルが3月20日から代々木第二体育館でスタートする。今シーズン、コロナ禍の中、東西に分けて集中開催というこれまでにない方法でレギュラーシーズンを実施。リーグ、チーム、すべての関係者がウイルスに対して厳しい対応を行ったものの、残念ながら全スケジュールを完遂することはできなかったが、いよいよその戦いがフィナーレを迎えることになった。
頂点を極める舞台に勝ち上がったのは東地区1位のENEOSサンフラワーズと西地区1位のトヨタ自動車アンテロープス。昨年の12月20日に行われた皇后杯ファイナルラウンド決勝と同じ顔合わせだ。
プレーオフにはセミファイナルから登場した両チーム、富士通レッドウェーブと対戦したトヨタ自動車は第1戦を79−56と23点差で快勝。フィジカルの強さを生かしてオフェンスリバウンドを奪うなどして、終始自らのペースで勝利をつかんだ。第2戦は富士通の町田瑠唯、篠崎澪のガードコンビのパフォーマンスに接戦を演じたが、最後は安間志織が勝負を決定づけるシュートを決めて2連勝を果たした。
ルーカス・モンデーロヘッドコーチは「チームを見始めて2シーズン目を終えようとしているが、選手は自分が成長していることを実感しているし、自信を持てるようになった」とチームの成長を実感。皇后杯決勝では悔しい逆転負けを喫したが、このファイナルでリベンジを目指すとともに、初のリーグ制覇に挑戦する。
しかし、追い詰められた場面で発揮したのが女王のプライド、いやそのプライドをかなぐり捨てて向かっていった勝利への執念だろう。キャプテンの岡本彩也花、司令塔の宮崎早織が攻防に渡ってチームをけん引。特に岡本はここぞという場面でシュートを決め、チームを危機から脱出させる立役者となった。
ともに2連勝してファイナルに進出したが、セミファイナルでの戦いぶりは対照的だ。セミファイナルでトヨタ自動車は12名がコートに立ちタイムシェア。2試合で最も多くプレーしたのは馬瓜エブリンで平均約29分。対するENEOSはコートに立ったのは8名のみで、岡本と宮崎は2試合ともほぼフル出場となった。
2戦先勝の短期決戦であれば時間配分を度外視した戦い方も可能ではあるものの、スタミナの点で不安が残るのは事実。トヨタ自動車の長岡萌映子は、「自分たちの強みは2ケタ得点できる選手がそろっていることで、昨日はエブリン(馬瓜)がそうでした。毎試合違う選手が活躍できるチームですし、今日はどこから攻めればいいのかという見極めや、一人ひとりの1対1の意識の高さがスタッツにつながったと思います。今日の試合で勝ち切れたことは自分たちの財産になったというか、本当に良い経験として次につながります。ファイナルも自分たちらしいバスケットで頑張りたいと思います」と自信を見せた。
対するENEOSは少数精鋭で立ち向かうことになるが、セミファイナルを勝ち抜けた勢いをファイナルにもつなげたい。デンソー戦で勝利への執念をあらわにした岡本は、「ファイナルは皇后杯で対戦したトヨタ自動車が相手ですが、集大成として向かってくると思います。決して受け身にならず、負けていても我慢して、オフェンスでもディフェンスでも攻めるバスケットをすることと、最後は気持ちだと思うので、そこは自分たちのバスケットを遂行できるように〝走りたい”です」と意気込む。
文=入江美紀雄