Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
約1カ月間のバイウィークを経て、2月18、19日に新潟アルビレックスBBラビッツと対戦し、2月24、25日には東京羽田ヴィッキーズとの試合に臨んだデンソーアイリス。いずれの対戦も2勝を収め、休み明けから4連勝。新潟戦後にはプレーオフ進出も決定付けた。
「(バイウィークが)開けた最初の試合はちょっと怖かったのですが、やりたいバスケットはまだ完成形ではないとはいえ、準備してきたことは出せているのかなと思います」
新潟、東京羽田の4試合を振り返ったのはデンソーの赤穂ひまわり。取り組んできた強度の高いディフェンスや走ることに関しては東京羽田の2戦目でも「何回かそういったプレーを出せていた」と、手応えを感じていた。
「2戦目は3ポイントシュートがあまり入っていなかったのですが、それでもディフェンスの強度を下げず、強くやっていたことで勝ち切ることができました。相手は大きいチームではないとはいえ、昨シーズンは負けているので…。だから、そういったところをしっかりやれば勝ちにつながるんだと感じました」と、赤穂。
確かに2戦目はチームの3ポイントシュート確率が9.1パーセントと苦しんだが、堅いディフェンスから相手に容易に得点を与えず。攻めては髙田真希、赤穂さくら、赤穂ひまわりらが高さを生かした得点でジリジリと東京羽田を引き離しての勝利だった。
だが、3ポイントシュートに関しては、プレーオフを見据えると今後のポイントにもなるところ。「外のシュートは自信を持って打ち続けること。デンソーは『外のシュートがない』というイメージがあると思うので、そこで外のシュートが入ってくると、強みのインサイドも効いてくると思います。今はシュートが入っていなくても、みんなが自信を持って打ていることがいいのかなと思うので、あとは何本か決まってくれば」と、赤穂は言う。
その赤穂は今シーズンからデンソーのキャプテンを務める24歳。日本代表でも主軸を担い、高い身体能力に加えてバスケットIQも高く、オールラウンドに何でもこなすプレーヤーだ。
中学生以来のキャプテンは、「変に気負うこともなくやれている」とのことで、あくまでも自然体のリーダーといったところだろう。だが、キャプテンであろうとなかろうと、自覚と責任は今まで以上に持っているようで、「昨シーズンよりも一つひとつのプレーに責任を持たなくてはいけないという意識でいます。(チームのプレーが)停滞したときや良くないときは、自分がやらなきゃいけないという気持ちは強いです」と、頼もしい言葉も聞かれた。
プレーでいえば、今シーズンはそれまで以上にドライブを試みるシーンが多いようにも感じられるが、そのことを問うと、「それは結構意識してやっているので、そう思ってもらってうれしいです!」と、破顔する。
さらにドライブの話を続けると、「もともと、ドライブはやった方がいいと思っていました。今シーズンはそれを実際にやっているうちに、『あ、できるな』と感じるようになって、どんどん行くようになっています」と、語った。
ドリブルチェンジなどハンドリングのスキルも向上しているようにも見受けられるが、それについては、「結局、そういうのも全部、やらないことには上手くならないし、慣れもあるので、やっていくことが大事かなと思っています」と、コメント。一方で、「まだドライブでもっていけるときといけないときの判断が悪い」と課題もハッキリと見えている。
「シュートが入っても、入らなくても、それ以外の部分は変わることなくやれていると思うので、そこは大事にしていきたいです」
こう語る赤穂が大事にしていることはディフェンスやリバウンド。特にリバウンドに関しては、東京羽田もボックスアウトなど体を寄せて簡単に赤穂に跳ばせないようにしていたが、「どこのチームも私のリバウンドを警戒してくると思います。その中でボックスアウトをされるときもありますが、100パーセント完璧にボックスアウトができるわけではないと思うので、その相手ができていないときに取れるようにしていきたいです」という。
あっと驚くような派手なプレーを見せたかと思えば、ルーズボールなどといった献身的なプレーでもチームを引っ張る赤穂。頼もしく成長していく若きリーダーは、いまだ立ったことのないWリーグの頂点に向けて、これからもしっかりとした足取りで前へと進んでいく。
写真・取材・文=田島早苗