2023.04.18

キャプテンとしてチームを支え続けたENEOSの渡嘉敷…「みんなが自分を信じてくれた」

自身3度目のプレーオフMVPに選出された渡嘉敷[写真]=伊藤大允
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 4月17日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都)で第24回Wリーグプレーオフのファイナル第3戦が開催され、ENEOSサンフラワーズがトヨタ自動車アンテロープスと激突。2度の延長にもつれる大激戦となったが、要所で得点を奪ったENEOSがトヨタ自動車を振り切って王座に輝いた。

 ENEOSのキャプテンを務めた渡嘉敷来夢は、富士通レッドウェーブとのクォーターファイナルからの全6試合に出場し、1試合平均18.3得点14.0リバウンド2.5ブロックと洗練されたプレーを披露。ファイナルを終えたあとの記者会見で、渡嘉敷は「いつか絶対に自分たちの時間が来ると思ってたので。我慢して出た結果だと思います。本当に勝てて良かったです」と、試合を振り返っている。

「自分たちならやれる」と、最後まで諦めずに仲間を信じ続けたことを勝因の1つに挙げた渡嘉敷。第3戦は2度のオーバータイムに突入するなど体力的に厳しい展開となったものの、ENEOSの大黒柱は「『第3戦になった時点で、トヨタ(自動車)に走り負けるわけがない』と自分に言い聞かせて。やることはやってきたから大丈夫」と、1点を争う激戦のなかで自らを鼓舞していたという。

ファイナル最終戦で20得点13リバウンド3ブロックをマークした渡嘉敷(中央)[写真]=伊藤大允

 チームを導くキャプテンとして戦い抜いた渡嘉敷は、「覚悟を持ってやる。これで勝てなかったら、もう自分も終わりかな」と、今シーズンに並々ならぬ思いをかけていたことを明かす。自分自身を追い込み続けた1年間だったと振り返りつつ、「自分がうまくプレーできなかったときも、みんなが最後まで自分を信じてくれて。11連覇のときにはなかったことなのかなと感じています」と、チームの面々に感謝の言葉を贈っている。

 4年ぶり通算17回目(前身の日本リーグを含めると23回目)のリーグ制覇を成し遂げたENEOS。「本当に負けず嫌い」と、渡嘉敷は今シーズンのチームを表現している。「1人が落ちてもみんなで落ちることがない。それがこのチームの強さだなと感じています。今までよりも、1つになってる感じは強かったかなと思います」。激闘を制して王冠を手にしたENEOSだが、渡嘉敷はすでに来シーズンの連覇を見据える。

「チーム全員で成長はできていると思います。でもここで満足することなく、全員に伸びしろがあると思うので。もっともっと、一人ひとりがやるべきことだったり、意識することを持ち続けることは、選手である以上は大事なのかなと思います」

 ベテランとしてENEOSを支え続けた渡嘉敷。来シーズンはディフェンディングチャンピオンとして、ぜひともファイナルの舞台まで勝ち進んでもらいたい。