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「(内海知秀ヘッドコーチからは)思い切りよくシュートを打ってほしい。シンプルに点を取ること、考えすぎずにゴールに向かうようにと言ってもらっています。それと、チームはセンター以外のリバウンド本数を課題として取り組んでいるので、そのリバウンドについても私が任せられていることだと感じています」
このように新シーズンに向けて自身の役割を語るのは日立ハイテククーガーズの奥山理々嘉。今シーズンより4シーズン在籍していたENEOSサンフラワーズから同チームに移籍したオールラウンダーだ。
日立ハイテクの一員として8月にはサマーキャンプ、そして9月には8日〜10日の期間で行われた「Wリーグオータムカップ2023 in 奥州」に出場。シーズンに向けて強化を図ってきた夏を「サマーキャンプからオータムカップまでの約1カ月の間でも練習試合があり、自分の中では、そこでチームによりフィットすることができたかなと思っています。オータムカップでは、1カ月で取り組んできたことがチームとしても自分としても出すことができたと思います」と、振り返った。
「3ポイントシュートのアテンプトを増やすこともそうですが、2点の(シュートにつながる)プレーを増やすことを一番意識しています。3ポイントシュート(を狙って)からのドライブやジャンプシュートなど、アタックのバリエーションはこの1カ月で取り組んできたし、決定力は自分が任されているところでもあるので、積極的にトライしています」と語ったオータムカップでは3試合に出場。初戦の新潟アルビレックスBBラビッツ戦は9得点、続く準決勝の三菱電機コアラーズ戦では高いシュート確率で19得点、そして東京羽田ヴィッキーズとの決勝でも6得点を奪取し、チームの優勝(Bブロック)に貢献した。
それほどに高い攻撃力を持つ奥山にとって点を取ることは、イコール自分らしさを出せているということともいえる。「4番ポジションの選手も外でシュートを打つなど、全体的に動きのあるチームなので、そこは自分に合っていると思います」と、日立ハイテクについて語った奥山は、「今はまだ単体で動くことが多いのですが、もう少しみんなのことを見ながら、かみ合わせながらプレーをしたいと思っています」とも意気込む。
移籍は選手にとって大きな決断だ。それを踏まえた上でこう決意を新たにする。
「移籍は自分で選んで決めたこと。それを正解にするのも、これからの結果だと思っています。たとえ結果がすぐに出なくても、自分が毎日向き合って練習をしていく中での達成感はあるので、今は成長しているという実感があります」
「もっといろんなことができるというのを見てもらいたいし、自分自身もバスケットの幅を増やして、様々なことにチャレンジしていきたいと思っています。チームの勝利、今シーズンはベスト4を目指してるのですが、そこに自分の力が絶対必要だと思って移籍したので、戦う姿勢も見てもらいたいです」と、力を込めた23歳のポイントゲッター。開幕が迫る中、超がつくほどのポイントゲッターは、新天地で挑戦に並々ならぬ思いを抱いている。
文=田島早苗