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10月14日に開幕したWリーグは11月12日時点で各チーム10試合を終えたところだが、8勝2敗で4位に付けるのがデンソーアイリスだ。
デンソーは、シーズンの初戦となった山梨クィーンビーズ戦から連勝を重ねてきたが、11月5日にシャンソン化粧品シャンソンVマジックに敗退(72-77)。続いて11月12日には富士通レッドウェーブに競り負け(59-62)、2敗目を喫した。特に富士通との一戦では、大黒柱の髙田真希がファウルトラブルとなり、約24分の出場で6得点3リバウンドに留まってしまった。
だが、髙田は「ファウルは関係なく、オフェンスが重たい展開になってしまっていた」と、試合を通しての敗因を語る。「この試合だけでなく、入りがどうしてもうまくいかず、何をやっていいのか分からないというのがプレーに出てしまうことがあるので、そこを自分たちで話をするのもそうですし、話をしなくても『こうしたらこうだよね』という共通理解を増やしていかないといけないと思います」と、髙田。接戦の中で悪い流れを断ち切るには、そういったことが重要と力説した。
「個人の成長という点では、みんなが自分の役割を理解してコートに立ってるというのがすごく伝わります」(髙田)と、選手個々のレベルアップに関しては10試合を戦って手応えがある。だからこそ、「あとはチームとしてどうやって組み立てていくかという部分だけだと思います」という。
今シーズンは、東京オリンピックの銀メダリストでもある馬瓜エブリンが1シーズンの休養を経て加入。「エナジーが加わった」と、指揮官は言う。髙田も「エブリンは得点能力もありますし、ディフェンスもしっかりやってくれるので、チームにすごくいい影響を与えてくれます。それにチームの雰囲気が良くないとき、ゲームもそうですし、練習でもすごく声出して、みんなのモチベーションを上げてくれてるので助かっています」と、コメントする。
体の強さもある馬瓜は、1試合平均で15.0得点。得点ランキングでも5位につけている。ヴクサノヴィッチHCや髙田が言うようにディフェンスでの貢献も大きい。他にもスターターはもちろんのこと、赤穂さくらや渡部友里奈、篠原華実といった“1996年トリオ”をはじめとしたバックアップ陣も役割に徹し、頼もしい働きを見せている。それだけに皇后杯そしてWリーグと、日本一への期待は高くなる。そもそも、180センチを超える選手が6人、キャリアのある選手もそろうデンソーは開幕前から優勝候補の呼び声が高かった。
もちろん目指すところは日本一。だが、まだその過程であることを髙田は冷静に受け止めているのだ。その髙田だが、自身の役割を聞くと、いつも返ってくる言葉がある。それは「やることは変わりません」という言葉。
やることとは、得点とリバウンド。今回も同じく、「やることは基本的には変わらないです」と発した後に、こう続けた。「プレーもそうですが、リーダーシップを取るところも変わらずやっていきたいと思っています」
幾度となく優勝という壁に跳ね返されてきたデンソーのリーダーは、地に足をつけ、しっかりと前を見据えている。
文=田島早苗