2021.07.06

金メダルへ向かう女子日本代表の戦い…三井不動産カップ2021

東京2020オリンピックで金メダルを目指す女子日本代表 [写真提供]=JBA
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

世界の国々と対戦する貴重な機会を提供する三井不動産

 7月15日、17日の両日、サイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)で「三井不動産カップ2021 バスケットボール女子日本代表国際強化試合」埼玉大会が行われる。

 6月の神奈川大会では女子ポルトガル代表と対戦。女子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチはその際、「三井不動産さんには、毎年このような大会を開いていただいて、感謝しています」と述べた。新型コロナウイルスの影響で開催がなかった2020年を除き、2016年から毎年、三井不動産が特別協賛している同大会は、日本にとって世界の国々と対戦する貴重な経験の場になっている。

 神奈川大会は、日本が3連勝したものの、ポルトガルのフィジカルなディフェンス、高さのあるリバウンドで苦しむ場面がいくつか見られた。また、日本の武器ともいうべき3ポイントシュートの精度がもうひとつ上がらなかったことも苦戦を強いられた要素だった。それでも我慢しながら、勝利にこだわり、その結果を得たことは、東京2020オリンピックに向けての選手選考や、選手同士の組み合わせなど、さまざまな側面から収穫のあった大会だとも言える。

 また神奈川大会では16名のメンバーで戦ったが、7月1日、ついに東京オリンピックに臨む内定選手12名が発表され、埼玉大会はこのメンバーで戦うことになる。ファンにとってはより完成形に近いバスケットを堪能できるというわけだ。

東京2020オリンピックに向けてラストスパート

三井不動産カップを通じて調整を続ける女子日本代表 [写真提供]=JBA

 埼玉大会の対戦相手は女子ベルギー代表(15日)と、女子プエルトリコ代表(17日)。3月1日にFIBAが更新した世界ランキングでは、日本の10位に対して、ベルギーが6位、プエルトリコが23位となっている。

 初戦のベルギーとはここ3年、毎年のように対戦している。2018年はスペイン・テネリフェで行われた「FIBA女子ワールドカップ2018」ではグループフェーズで対戦し、オーバータイムの末に日本が77-75で勝っている。2019年の対戦は5月に水戸市で行われた「三井不動産カップ2019」。このときも日本が2連勝している。しかし2020年2月、ベルギー・オステンドでおこなわれた東京オリンピックの世界最終予選では84−92で敗れている。

 そのベルギーは「FIBA女子ユーロバスケット2021」で3位になったメンバーがそのままスライドすると、エマ・メッセマンがチームの大黒柱となる。彼女は193センチのパワーフォワードで、今シーズンこそ東京オリンピックに向けて参戦を見送っているが、WNBAでもプレーし、2019年にはファイナルMVPを獲得しているスーパースターだ。シューターのキム・メスタグ、パワフルなポイントガード、ジュリー・アラマンドにも注目してもらいたい。

 第2戦のプエルトリコは、世界ランキングとしては日本よりも下位にあるが、その勝負強さは侮れない。2020年2月に行われた東京オリンピックの世界最終予選では、ブラジルを残り1秒での逆転勝利で下し、オリンピック出場権獲得につなげている。日本とは2018年のワールドカップで対戦し、そのときは日本が69−61で競り勝っている。

 彼女たちもまた6月に地元・プエルトリコで行われた「FIBA女子アメリカップ」に出場している。ファイナルまで勝ち進んだそのときのメンバーがスライドされれば、190センチ前後の選手は数名いるものの、チーム全体のサイズ感はけっして大きくない。ただ日本同様にフルコートでのスピードがあり、フィジカルコンタクトにも強い。パワフルなポイントガードのジェニファー・オニール、WNBAでのプレー歴もある188センチのシューティングガード、ジャズモン・グワスミー、そして同じく191センチのシューティングガード、アリソン・ギブソンがチームの中心となる。

 このベルギー、プエルトリコとの対戦がオリンピックでの「仮想○○」になるとは考えにくい。しかし少なくとも国内合宿では得られにくいフィジカルコンタクトの強さや高さ、身体の使い方などの差を体感することはできる。そのなかで、いかに日本のバスケットを精度高く遂行できるか。それが「三井不動産カップ2021(埼玉大会)」の狙いといえよう。

決して平坦ではないが、踏破できる金メダルへの道

 最後に東京2020オリンピックに向けた展望も記しておきたい。目標を「金メダル獲得」に掲げる日本だが、その道のりは決して平坦ではない。

 同じグループBに属する女子アメリカ代表は、言わずと知れた世界ランキング1位のチーム。個々の能力の高さは間違いなく世界のトップ・オブ・トップにある。世界ランキング5位の女子フランス代表も猛者が揃うユーロバスケットでファイナルまで勝ち上がるなど、オリンピックに向けた足場をしっかりと固めている。アフリカ大陸から唯一の参加となる女子ナイジェリア代表も、世界ランキングこそ17位だが、オリンピック前にアメリカと強化試合をするなど、準備に余念がない。

 オリンピックではまず4チームずつが3つのグループに分かれて、グループフェーズを行う。そのなかで各グループの上位2チームと、3位チームのなかでFIBAのオフィシャルルールに基づいて算出された成績のよい2チームが決勝トーナメントに進む。

 さまざまな国の、さまざまなバスケットスタイルに対応しながら、かつ、自分たちの追い求めるバスケットを遂行する。月並みだが、日本が目標を達成するには、スキルや戦術もさることながら、体力と気力を高いレベルで持続しなければならない。だからこそ、ベルギー、プエルトリコと対戦する「三井不動産カップ2021(埼玉大会)」ではその試金石となる。この大会を“世界一”の足がかりにしたい。

東京2020オリンピックまで目が離せない女子日本代表 [写真提供]=JBA

文=三上太
写真提供=JBA


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