2021.09.15

東京五輪の経験を糧にする主将の林咲希「3Pを止められたときに何ができるか…」

今回の代表チームではキャプテンを務める林 [写真]=W LEAGUE
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 9月27日より、ヨルダンで開催される「FIBA女子アジアカップ2021」。同大会で4連覇中の女子日本代表は、9月10日から23日までの期間、13名の選手で強化合宿を行なっている。

 キャプテンに指名された林咲希を筆頭に宮崎早織赤穂ひまわり、オコエ桃仁花、東藤なな子の銀メダリスト5名と、西岡里紗、馬瓜ステファニー山本麻衣の3x3代表組、さらにWリーグの若手を中心としたメンバーで、アジアの各国がまだ果たしたことがない前人未到の5連覇を目指す。

 キャプテンを務める林は会見で「もちろん5連覇を狙っています」と力強く語り、「若い選手が多いので新しいバスケットを見せられるんじゃないかなという気持ちで練習に励んでいます」と合宿への手応えを口にした。

 東京オリンピックに続いての代表参加となった林は「オリンピックが終わってバタバタもしましたが、合宿に入って集中する環境になったことで、自分のコンディションは上がってきているのかなと思います」とコメント。

 忙しいスケジュールのなか挑むアジアカップだが「オリンピックでは3ポイントで注目されましたが、今回はそれ以外にも挑戦しています。3ポイントを止められたときに何ができるかという、オリンピックで出た課題をもとにやっています」と語り、早くも大舞台での経験を自身の成長につなげているようだ。

新たなバスケットスタイルの構築

 今回の日本代表では、恩塚亨ヘッドコーチのもと、3ポイントシュートにこだわらず、ズレを作ることを意識した新しいバスケットスタイルを構築しているという。

「このバスケットをするに当たって、練習量は必要なのかなと感じています。ポイントとしては個人の判断力が必要です。一瞬の動きやボールを持っている選手が何を考えているか、コートにいる1人1人が考えることを意識しています。新しいスタイルなので、最初は難しさがありましたが、練習を積み重ねるにつれて、原則を守りつつもどこがチャンスか分かってプレーできるようになってきました。カウンター1対1を多めにやっていて、5対5をしながら『ここでカウンターだ』と恩塚さんが言ってくれるので、狙い目もみんな分かってきました。自分がチャンスだと思ったら攻めてほしいと言われているので、1人1人がいつでもチャンスを狙う気持ちでやるのが大切です」

 また「オリンピックと同様のプレーはしないということが自分としてはキーポイントで、同じことをすると相手もアジャストしてくるので、いろんな引き出しを持ってチームとして戦えればいいかなと思っています」と話し、新たなスタイルでプレーすることに手応えを感じているようだ。

 さらに今回の合宿では、キャプテンとして細部にこだわった声かけをチームにしていると語った。「パス1つでも、バウンズパスを出して欲しいとか、海外の選手相手だとこのパスは通らないとか、パスが弱ければいいシュートも打てないなど、チームに伝達しながらやっています。まだみんなの体に染みついていない部分があるので、自分が積極的に声かけをしていきたいです」

 史上初のオリンピックでの銀メダル獲得により、林は様々な場面で反響を感じているという。注目度の高まった女子日本代表だが、4連覇中のアジアカップでは他国のマークもより一層厳しいものとなる。それでも、前人未踏の“5連覇“向けて、キャプテンの林が新たな日本代表をけん引していく。

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