2024.02.16

馬瓜エブリン「生きた心地がしませんでした」崖っぷちで抱いていた日本バスケ界への思い

馬瓜姉妹にとっては今回のOQT3連戦が日本代表初共演だった[写真]=fiba.basketball
バスケ情報専門サイト

 パリ2024オリンピックへの出場権を獲得したバスケットボール女子日本代表(FIBAランキング9位)が2月13日、「FIBAオリンピック世界最終予選2024(OQT)」の開催地であるハンガリーから帰国。激闘を終えた選手たちが思いを語った。

 “人生の夏休み”として1シーズン競技から離れていた馬瓜エブリンは、東京2020オリンピック以来の代表活動復帰で、3戦合計42得点と活躍。帰国後の会見でもマイクを片手に会場の笑いを誘い、ムードメーカーの役割を全うした。

 日本代表はOQT初戦でスペイン代表(4位)に勝利しながら、第2戦でハンガリー代表(19位)に敗れ、一転して崖っぷちに。1得点止まりだったチームいちの元気印も「正直ハンガリー戦のあとから生きた心地がしませんでした」とショックを受けていたことを明かし、「ホテルに帰ってからは1人になると色々考えてしまうので、妹のステファニーと現実を見ながら、どうやったら自分たちがグループリーグを突破するのか確認したところ、どうやらカナダ代表(5位)に勝つしかないらしいと(笑)。腹をくくりました」と、当時の心境を振り返った。

 そしてOQT最終戦前日に選手間ミーティングが行われた際、同い年の宮崎早織から「お前の“吠え”が必要だ」と檄を飛ばされたといい、2人のやり取りにチームメートも爆笑。1995年コンビを中心に笑顔が戻った日本代表は、運命のカナダ戦へ向けて目指すべきプレーを再確認したという。

「リオオリンピックから始まって、東京オリンピック、そして男子のワールドカップと続いてきているなかで、私たちだけではなく、これからバスケットで頑張ってきたいと思っている子供たちのためにもつないでいかなくてはいけない。そのつながりを決して途切れさせてはいけないと思っていたので、なんとか勝たないといけないと思いました」

 日本バスケ界の未来も見据え、強い思いを胸に臨んだOQT最終戦。エブリンは五輪切符がかかるカナダ戦でチーム最多タイの21得点を挙げ、“盛り上げ隊長”としても要所で仲間を鼓舞した。チームを一つにするきっかけにもなった“エブリンの吠え”は成績として残るものではないが、「データやロジックを超えないといけない瞬間が絶対にあると思っています。その超えなくてはいけない瞬間がカナダ戦だった」とエブリンは語り、「バスケットは雰囲気のスポーツだと思っています。自分が率先して雰囲気を作っていくことでチームにエナジーを届けられたのではないかなと思います」と、その重要性を説いた。

 また、エブリンにとって、今回のOQTは妹・ステファニーと日本代表で初共演できた大会でもあり、「ステファニーと一緒にプレーする最初で最後の大会にしたくないと思っていました」と、特別な思いを胸にプレーしていたことも告白した。5カ月後の大舞台へ向けては、「まずはパリに行けるように国内リーグで頑張らなくてはいけないと思います」と心機一転。再び“日本代表を目指すWリーガー”として、精力的にプレーしていく姿勢を示した。

馬瓜 エブリンの関連記事

女子日本代表の関連記事