2024.07.07

日本代表を明るく照らす馬瓜エブリン…ニュージーランド戦での学びをパリへとつなげる

コートの内外でチームを支える馬瓜エブリン [写真]=伊藤大允
フリーライター

 7月6日、「三井不動産カップ2024(東京大会)」(有明アリーナ)の第2戦に臨んだ女子日本代表は、女子ニュージーランド代表を相手に92-50で勝利。「パリ2024オリンピック」前の国内最後の国際強化試合を白星で終え、パリに向けて弾みを付けた。

「まずはこれだけたくさんの人の前でプレーできたこと、それも日本で、ということが自分の中ではすごくうれしかったです」

 三井不動産カップ東京大会は2戦ともに観客が1万人超え。そのことについてこのように喜びを表したのは馬瓜エブリン(デンソーアイリス)で、ニュージーランドとの2試合については「勝ち切ることが一つ大事なことで、あとはシュートのイメージ。今日(第2戦)はシュートが入らなかったところもあったと思うのですが、でも、感覚よく打てているというのがすごく大事だと思うので、そういう意味ではすごくいい対戦相手で、いい試合だったと思います」と、語った。

 さらにニュージーランド戦を通して個人としての気づきもあったようで、「今回の対戦ですごく勉強になったのは、ニュージーランドの選手はセンターでも(ディフェンスと)対峙した状態で1対1を仕掛けてくること。久しぶりにそういったセンターを守ったのですが、この後はそういったセンターばかりが相手になると思うので、そこに対して早めにバンプしたり、ちょっと体を当てたりといったことをしてボディブローのように(ダメージを)効かせることは大事だと感じました」と、振り返った。

 馬瓜エブリンは、第2戦目では20分強の出場で13得点4リバウンド2アシスト2スティールを記録。チーム全体として外角シュートが思うように入らない中、ランニングプレーやハードなディフェンスなど、攻防において体を張ったプレーでチームを引っ張った。

 この試合ではチームとして20スティールをマークしたが、これについては、「しっかりとプレッシャーをかけて、相手ガードに背中を向かせるだとか、センターに(ボールを)つながせないといったところができたと思います。ハンドラーではない人にボールをつながせることによって私たちが有利にディフェンスをするということに関しては2試合を通してすごくよかったと思います」と、言う。ただ、オリンピック前にヨーロッパで行われる国際強化試合では、フランスやベルギーといった同じくオリンピックに出場する強豪チームとの対戦が控えており、「フランスやベルギーはハンドラーもいいでので、そういったときにどうやって私たちがディフェンスをするのかは、この後もやっていくことだと思います」と、コメントした。

 今のチームの中では髙田真希(デンソー)のバックアップとして出場することが多く、オリンピック本番でもそういった起用の可能性が高い。「相手が何のディフェンスをやってくるのか。それと髙田選手のプレーを見て、ドライブで切っていけるなら、私も多分ドライブの方がいいかなとか髙田選手の動きはよく見るようにしています。あとは(マッチアップ予定の)相手選手の特徴もすごく見るようにしていますね」と、ベンチスタートとして意識していることを教えてくれた。さらに、チーム全体としても、周りの選手が堅かったら落ち着かせるようにして、逆に周りの調子がいいときは周りを生かしながら自らも得点を狙っていくようにしているとも語った。

 前回大会に続いて2度目となるオリンピック。「試合に出る機会があるといううれしさとともに、出たからには責任もあるので、自分のプレーで責任を果たすというところにモチベーションがあります」と、馬瓜エブリン。近づいてきた大一番に向けては、「みんなのことを勇気付けられるようなプレーをしたいです」と、力強く発していた。

文=田島早苗

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