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全員がオリンピック経験者の“走り勝つシューター軍団”…パリ五輪に臨む女子日本代表12名を徹底紹介!

パリ五輪女子日本代表に内定した12選手 [写真]=伊藤大允
フリーライター

 7月27日から8月10日にかけて、フランスにて開催される「パリ2024オリンピック競技大会」に出場する女子日本代表はどのような選手たちなのか。6月25日に発表された12名の内定選手たちを徹底紹介する。

文=田島早苗
写真=伊藤大允

※所属・年齢は2024年7月16日現在

■#3 馬瓜ステファニー

生年月日:1998年11月25日(25歳)
ポジション・身長:PF・182センチ
所属:サラゴサ

 長い腕と足を生かしたシュートにリバウンド、さらには豪快なブロックショットを披露する馬瓜ステファニー。6シーズン所属したトヨタ自動車ではWリーグ連覇も達成している。その後、スペインリーグへと参戦し、エストゥディアンテスで1シーズンプレー。新シーズン(2024-25)では強豪・サラゴサへの移籍が決まっている。WNBAのサマーキャンプにも2年連続で挑戦しており、こういった海外で得た経験を日本代表へと還元したいところ。
 東京2020オリンピックでは3x3女子日本代表として、パリでは5人制での出場。「どちらかというとディフェンスの面で貢献したいです」というが、緊迫した場面で見せるビッグシュートなど、あらゆる面でカギを握る存在だ。

■#8 髙田真希

生年月日:1989年8月23日(34歳)
ポジション・身長:C・185センチ
所属:デンソーアイリス

 得点やリバウンドでチームを引っ張る大黒柱。合わせのプレーにも長けており、状況に応じて3ポイントシュートからインサイドプレーと攻め分けることができる。センターではあるが昨シーズンのWリーグで3ポイントシュート成功率のタイトルを獲得。185センチはチーム最長身で、相手の大型選手に対して体を張ったディフェンスも光る。
 2016年のリオデジャネイロ、2021年の東京、そしてパリと3大会連続のオリンピック出場となるベテランは「ディフェンスでは前から仕掛け、オフェンスでは足を止めずに。誰が出ても足を動かし続けるというところを見てほしいし、『走り勝つシューター軍団』のコンセプトが見て分かるようなプレーをしたいです」と、抱負を語る。

■#12 吉田亜沙美

生年月日:1987年10月9日(36歳)
ポジション・身長:PG・165センチ
所属:日本バスケットボール協会

 昨シーズン(2023-24)に2度目の引退から4シーズンぶり復帰したポイントガード。ENEOSサンフラワーズ時代には数多くの優勝や個人タイトルを獲得し、オリンピックには2016年のリオデジャネイロ大会に出場した(成績は8位)。そのとき以来、自身2度目となるオリンピック。
 チームを落ち着かせるゲームメークや良い流れをもたらすキラーパスが武器で、体の強さがあり、堅いディフェンスも際立つ。「ディフェンスをうるさく頑張って、リバウンドやスティールで奪ったあとにファストブレイクやセカンドブレイク(での攻め)を多くやりたいと思っているので、流れを出すというところは意識してやっていきたいです」と、本番に向けて意気込んでいる。

■#13 町田瑠唯

生年月日:1993年3月8日(31歳)
ポジション・身長:PG・162センチ
所属:富士通レッドウェーブ

 2021年夏に開催され、銀メダルを獲得した東京2020オリンピックでは1試合18アシストというオリンピック新記録を樹立。翌年には日本人4人目となるWNBA選手として1シーズン、ワシントン・ミスティックスでプレーした。
 東京オリンピック以降はWNBAやケガなどにより思うように日本代表活動ができず国際大会の出場はなかったが、今年は春先の日本代表合宿から元気に参加。恩塚亨ヘッドコーチの目指すバスケットスタイルに徐々にフィットしていくと、安定したゲームコントロールや仲間のシュートを演出するパスなどで存在感を発揮している。「自分のやるべきことをやる」というブレない信念のもと、リオデジャネイロ、東京に続いて3大会連続でオリンピックの舞台に立つ。

■#15 本橋菜子

生年月日:1993年10月10日(30歳)
ポジション・身長:SG・164センチ
所属:東京羽田ヴィッキーズ

 緩急を付けたドライブでの突破や勝負強い3ポイントシュートにミドルシュートなど得点力の高いガード。また、自らのシュートだけでなくパスでも仲間の得点シーンを演出するなど、状況判断にも優れている。所属する東京羽田ヴィッキーズでは1番ポジションだが、今大会では2番ポジションでの起用がメインとなるだろう。
 合宿を重ねるごとにチームスタイルを理解し、体現できるようになってきたという本橋は、「チームとして今、何をしなくてはいけないかといったところで、スムーズに動けています」と、胸を張る。オリンピックの舞台では、どの場面で出場しても落ち着いたプレーを見せ、自らの役割をしっかりと果たしてチームを盛り立ててくれるに違いない。

■#23 山本麻衣

生年月日:1999年10月23日(24歳)
ポジション・身長:SG・163センチ
所属:トヨタ自動車アンテロープス

 3x3では「FIBA 3x3 U23ワールドカップ2019」の優勝を筆頭に好成績を多く収め、ビッグプレーも幾度となく見せてきた山本。5人制でも今年2月の「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」のハンガリー会場のMVPを獲得するなど、2つの競技で日本代表としてその名を轟かせてきた。
 卓越したスキルと日々のトレーニングで鍛えたフィジカルで得点を奪っていく点取り屋。OQT以降2番ポジションを担っており、「得点するだけでなくても点にからむことが重要だと思っているので、以前よりも積極的にからむようにしています」という。オリンピックでも「自分が点を取ったらいい流れになるというのは自覚しているので、自覚と責任をもってやっていきたい」と、気合い十分だ。

■#27 林咲希

生年月日:1995年3月16日(29歳)
ポジション・身長:SF・173センチ
所属:富士通レッドウェーブ

 東京2020オリンピックでは準々決勝のベルギー戦で試合終盤に決勝点となる3ポイントシュートを沈めるなど、銀メダル獲得に大きく貢献。その活躍はまだ記憶に新しいところだ。代名詞といえる3ポイントシュートは相手の戦意をくじくようなダメージを与え、加えてドライブからのシュートなど得点パターンも増えてきている。また、速攻の先頭を走るなど、機動力でも相手をかき回し、足を動かしたディフェンスでも奮起。スタミナ豊富なシューターはチームにとって欠かすことのできない存在だ。
『恩塚ジャパン』となってからは出場した大会ではすべてキャプテンとしてチームをけん引。この3年間で「メンタル面で落ち着いた」という林は、今大会でもキープレーヤーとなる。

■#30 馬瓜エブリン

生年月日:1995年6月2日(29歳)
ポジション・身長:PF・180センチ
所属:デンソーアイリス

「人生の夏休み」を終えてプレーヤー復帰した昨シーズンは皇后杯で優勝、Wリーグで準優勝という成績を残した。体が強く、パワフルなドライブやディフェンスなどで強みを発揮。そこに加えて復帰後は3ポイントシュートの精度も高まっており、大事な場面で幾度となく決めてきた。自身や仲間の好プレーに「吠える」姿はチームメートを奮い立たせる。
 今回のオリンピックは成長を見せることができる大会とも捉えており、「復帰してから一つひとつ試練を乗り越えていくことがすごく楽しかったので、今回(オリンピック)のプレッシャーを乗り越えれるのかどうかが楽しみな点ではあります」という。「みんなのことを勇気付けられるように」と言うハッスルプレーに注目だ。

■#32 宮崎早織

生年月日:1995年8月27日(28歳)
ポジション・身長:PG・167センチ
所属:ENEOSサンフラワーズ

 今年2月の「FIBAオリンピック世界最終予選(OQT)」ではスターターのポイントガードとしてオリンピック出場権獲得の原動力に。抜群のスピードを持ち、相手ディフェンスを切り裂く超速ドライブからのシュートやパスなどで日本にリズムをもたらし、ディフェンスのしつこさでも相手を苦しめる。明るい性格でコート内外でチームのムードメーカーでもある。
「3年経って、まさか自分がメインとして使ってもらえるとは思ってもいなかった」というように、前回の東京2020オリンピックでは出場時間は決して多くなかったものの、3年間で大きく成長。「3年間で積んできた経験を集大成として出せたら」と、自身2度目となるオリンピックに向けて気持ちを新たにしている。

■#52 宮澤夕貴

生年月日:1993年6月2日(31歳)
ポジション・身長:PF・182センチ
所属:富士通レッドウェーブ

 昨シーズン、Wリーグでは富士通を16年ぶりとなる優勝に導き、プレーオフMVPを獲得。3ポイントシュートだけでなくポストプレーにドライブとどこからでも攻撃可能なオールラウンダーで、長い手足を生かしたディフェンスでの貢献も大きい。6月の三井不動産カップ北海道大会ではオーストラリアとの第2戦で12得点。3ポイントシュートを3本沈めるなど、しっかりと結果を残した。
 気持ちが強く、頼もしさが増したパワーフォワードは、「3ポイントシュートは自信持っているのでそこはしっかりやりたいです」と、力強く発する。日本代表での国際大会は2022年の「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ」以来で、オリンピックは髙田、町田ともに3大会連続の出場となる。

■#75 東藤なな子

生年月日:2000年11月29日(23歳)
ポジション・身長:SF・175センチ
所属:トヨタ紡織サンシャインラビッツ

 東京2020オリンピックに続いてのメンバー入りで前回同様チーム最年少。ただ、「今回は東京での経験や世界大会を何度か重ねたので、できることを表現していきたいです」と、抱負を語る。
 巧なステップからのシュートは東藤を象徴するプレーだが、取り組んできた3ポイントシュートでの働きも期待されており、6月の三井不動産カップ北海道大会の第2戦では出場15分半の中で2本を沈めた。また、ディフェンスにも定評があり、オリンピックでは「金メダルを取りにいく一員として勝利に貢献するため、途中で試合に出ていくことが多いのですが、そういう中でゲーム中に足りないものなどをコートで表現したいです」と、ゲームチェンジャーとしての役割も担っている。

■#88 赤穂ひまわり

生年月日:1998年8月28日(25歳)
ポジション・身長:PF・184センチ
所属:デンソーアイリス

 冷静沈着なパワーフォワードで、的確な動きで得点やリバウンドを奪っていく。合わせの動きといった数字に表れないプレーでの働きがとても大きく、チームオフェンスの一翼を担っている。デンソーでは昨シーズン、1番ポジションでの出場も果たすなど器用な選手。プレーの幅は広く、ディフェンスでも軸となる存在だ。恩塚亨ヘッドコーチのもとで臨んだ国際大会にはすべて出場し、確実にキャリアを重ねてきた。
「チームは後退せずに前進していると思います」と語っており、チームが理想とするプレーに対して「限りなく100パーセントにして」オリンピック本番に臨む構えだ。周りを驚かせるような跳躍力を生かしたリバウンドやブロックショットは必見!

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