2024.07.25

五輪開幕まであとわずか…Wリーグの指揮官たちが女子日本代表選手にエール

女子日本代表各選手の所属チームのHCから激励のメッセージ [写真]=fiba.basketball
フリーライター

 いよいよパリ2024オリンピックの開幕が迫ってきた。世界の頂点を目指す女子日本代表の初戦は前回覇者のアメリカと。東京オリンピック決勝の再戦のティップオフは日本時間7月30日早朝4時の予定だ。

 ここではそれぞれ所属チームのヘッドコーチから各選手の特徴を語ってもらい、エールを送ってもらった(吉田亜沙美は現在日本協会所属だが、昨季所属のアイシンウィングスの梅嵜英毅HCからコメントをもらった。なお、Wリーグ26回大会の最終登録締切日は8月31日)。

文=田島早苗

「3人の活躍がチームの成長につながる」BTテーブス(富士通レッドウェーブ)

[写真]=Wリーグ


 ルイ(町田瑠唯)はプレータイムの長さに関わらず、試合に出たらそのチャンスをしっかりつかんでほしいと思っています。自分の持ち味やほかの選手ができないようなプレーを見せて、試合に毎回出て、試合でインパクトを与えないといけない。それが彼女には大事なことだと思います。

 アース(宮澤夕貴)は今大会のどこかでキープレイヤーになると思っていて、本当にそれを信じています。だからもし、うまくいかなかったときは、いつもどおり我慢して。そしてルイと同じようにチャンスが来たらつかんでほしい。それは自分のためではなく、チームのため、勝つため、メダルを取るためです。

 キキ(林咲希)はずっと日本代表で活動していて、シュートが入らなくても打ち続けるということは十分理解していると思います。あとは自分のことを守りなさい。オフのときはオフする。シュートを決めないといけないし、プレータイムも長くなるだろうし、キャプテンシーも取らないといけない。だからこそバランスを取ることが大事なので、時にはリラックスしてください。

 3人が活躍しているからこそ富士通としても、どんな試合でも、どんな相手でも3人と同じ意識や考え方を持って臨んでいますし、そのことがチームの成長につながると思っています。

「メダルを持って帰ってきてほしい」ヴラディミール・ヴクサノヴィッチ(デンソーアイリス)

[写真]=Wリーグ


 リツ(髙田真希)にはリーダーシップを期待してます。大きい大会でいろいろなメダル獲得している選手で、デンソーとしても昨シーズンは結果を残したシーズンでした。プレッシャーを感じずに力を出してほしい。彼女の持っている、中も外もできる能力を存分に発揮してほしいです。

 ダン(馬瓜エブリン)は、約1年の休養から戻ってきましたが、彼女のバスケットに対するモチベーションを上げられたことは非常に良かったと思っています。プレーでも成長していますし、ステファニー選手と姉妹そろって出場というのは大きなモチベーションにつながるのではないでしょうか。楽しみながら、彼女の持っている“クレイジー”なエナジーを出し切ってほしいです。

 コウ(赤穂ひまわり)は静かな選手だけれど、ゲームチェンジャーです。点を取らなくてもゲームを変えられる選手だと思うし、4つのポジションを守れるというところでは、相手がどこであれディフェンスの要になる選手だと思います。大会中は笑顔で楽しんで。そして今大会の経験を今後にプラスにしてくれればと思います。

 彼女たちの活躍を願っていますし、メダルを持って帰ってきてほしいというのが私の本心です。日本の女子は成長していて、(オリンピックの)トップ4を目指せるチームだと感じます。オリンピックでは日本と母国のセルビアを応援しています。

「日本のために貢献できる選手」ティモシー・シー・ルイス(ENEOSサンフラワーズ)

[写真]=Wリーグ


 ユラ(宮崎早織)がこれまで達成したことはENEOSサンフラワーズの誇りでもありますし、心から尊敬し応援しています。ぜひ、ENEOSの代表としてオリンピックでも頑張ってもらいたいです。そう言いながらも、寂しいから早く帰ってきてほしい気持ちもありますね(笑)。

 明るい性格で最後まで頑張る忍耐強さなどすべてが日本のために貢献できることだと思います。彼女はどんな相手でも大差になっても最後まで頑張りますが、それは勝ちたい気持ちが強いから。これはチームメートたちにも刺激を与えると思います。

「3x3の経験は5人制にも生きている」大神雄子(トヨタ自動車アンテロープス)

[写真]=Wリーグ


 特別なことはなく、オリンピックではそのままのリム(山本麻衣)を出せればいいと思っています。そのままを出せれるようないい準備をして臨んでほしいですが、その準備の仕方も知っていると思うので、とにかく『行ってこい』という言葉が一番ですね。

 リムとステ(馬瓜ステファニー)は東京オリンピックでは3x3の代表として出場し、今は5人制の日本代表でスタートを担うまでになりました。(この3年間で)確実にステップアップしたことを証明しています。選手たちがタフな状況で判断し、コミュニケーションを取ることやボールムーブメントなど、3x3での経験は5人制でも生かせると感じています。

「ヒナはジノビリのような選手」ルーカス・モンデーロ(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)

[写真]=Wリーグ


 ヒナ(東藤なな子)はオールラウンダーなので、その持っているものをすべて出してもらいたいと思っています。また、グッドディフェンダーでもあるので、そこでの働きも期待しています。あとはできるだけ『いい判断』を続けること。きっと彼女ならやってくれると思うし、誇りに思っています。

 ヒナを見ているとマヌ・ジノビリ(元アルゼンチン代表/元サンアントニオ・スパーズほか)をすごく思い出します。オフェンスでもいろなことをやってたし、彼もグッドディフェンダーでした。ヒナはまだ23歳と若く、伸びしろもあります。オリンピックでは彼女らしくプレーしてもらいたいし、なおかつ楽しんでもらいたいと思います。

「持てる力を十分に発揮して」梅嵜英毅(アイシンウィングス)


 ゲームコントロールで周りを生かせるというのがリュウ(吉田亜沙美)の一番の特長です。オリンピックでは外角シュートがあり動きの速い日本に対しての圧力が厳しくなると思いますが、そういったときにガードの仕事は重要だと思います。オリンピック本番では持てる力を十分に発揮して全力で戦ってほしいですね。

 ただ、やるとなると無理をするタイプでもあるので、そこだけ気を付けて。とはいえ、戦い方、どこで自分の100パーセントを出すかということは一番本人が分かっていると思うし、そういった場面というのは苦しい状況のときだと思うので、そこで100パーセントの力を出してほしいです。

「日本のために頑張ってこい!」萩原美樹子(東京羽田ヴィッキーズ)


 まず、(激しい争いの中で)本当によく頑張ってメンバーに入ったと思うので、ナコ(本橋菜子)をリスペクトします。三井不動産カップ(有明大会)のニュージランドとの2戦目では、オフェンスがうまくいってないときに打開するようなプレーをしていました。そうやってオリンピックでもポイントでいい働きをし、貢献できるのかなと思っています。

 今できる最大限のことを腐らずにやれる選手。その点でもチームに良い影響はきっと与えているのではないかと感じます。『日本のために頑張ってこい!』という感じです。そしてヴィッキーズとしては本橋選手に続くオリンピアンを出していきたいですね。

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