2025.07.13
バスケットボール女子日本代表は国内合宿を終え、7月10日に羽田空港から中国・深センへと出発した。7月13日に開幕する「FIBA女子アジアカップ2025」に向け、いよいよ本番モードに突入。大会を目前に控えたこの日、チームを率いるコーリー・ゲインズヘッドコーチが出発前に取材対応し、大会への意気込みや今後を見据えたビジョンを語った。
「もちろん勝利を目指すが、それと同じくらい重要なのは、自分たちのスタイルを貫くこと」とコメント。続けて、「勝つためのプレーをするのは当然。ただ、日本のバスケットボールとしての在り方を体現することが、今チームが進んでいる方向性が正しいかどうかを確認する意味でも必要になる」と強調した。
短期的な勝利にとどまらず、ゲインズHCが掲げるのは“王朝(ダイナスティ)構築”という長期的な視点だ。「強いチームには、勝ち続けるためのカルチャーがある。それは一夜にして築けるものではなく、時間をかけて積み上げていくもの」と語ると、ゴールデンステート・ウォリアーズやマイアミ・ヒート、サンアントニオ・スパーズといったNBAの名門チームを引き合いに出し、「彼らも最初から勝っていたわけではない。勝ち方を学び、そこから王朝が始まった」と続けた。今大会は、そうした“勝者の文化”を築く第一歩と位置づけている。
そんなゲインズHCは、男子代表の強化試合となった「日本生命カップ2025」でベンチ入りし、トム・ホーバスHCの采配を間近で観察した。その経験について問われると、「素晴らしい質問だ」と笑顔を見せた。
「トム(ホーバス)こそが日本で学ぶべき最高の指導者だと思っている。彼の近くにいて、話を聞き、メモを取り、そこから学ぶ。そうやってコーチは成長していく。『すべてを知っている』というコーチは、実は何も知らない。私はNBAやWNBAの世界から来たが、FIBAで勝つには新たな学びが必要で、それをトムから吸収している」と力を込めた。
また、今大会でのチームのアピールポイントについては、「どれだけハードに、どれだけ速くプレーできるか。そして、いかに相手の攻撃や守備を崩すか」と語り、「今の日本の女子バスケットボールがどういうものかを、世界に示す機会だ」と言葉をつないだ。
ゲインズジャパンとして初の公式大会となる女子アジアカップ。短期的な成績のみならず、その先にあるカルチャーと王朝構築を視野に入れた大局的な視点がにじむ。日本らしいバスケットボールを体現し、2大会ぶりのアジアの頂点を目指す戦いが、いよいよ幕を開ける。
文=入江美紀雄
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