2025.09.08

WNBA4度優勝のマヤ・ムーア殿堂入り…恩師や仲間に感謝、社会貢献への思い語る

スピーチするマヤ・ムーア [写真]=Getty Images
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 9月7日(現地時間9月6日)、米マサチューセッツ州スプリングフィールドで行われたバスケットボール殿堂入りセレモニーに、マヤ・ムーア(元ミネソタ・リンクス)が登壇した。WNBAで4度の優勝(2011、2013、2015、2017年)、シーズンMVP(2014年)やファイナルMVP(2013年)、オリンピック金メダル2回(2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ)など輝かしい実績を持つムーアは、女子バスケットボール界を代表するスターとしてその功績を称えられた。

 スピーチの冒頭、ムーアは亡き祖父の誕生日と重なったことに触れ、家族への感謝を口にした。壇上には、同じくコネチカット大学で共にプレーしたスウィン・キャッシュ(元WNBA/現ニューオーリンズ・ペリカンズ幹部)、シモーン・オーガスタス(元ミネソタ・リンクス)、リンジー・ウィレン(元ミネソタ・リンクス)、そしてタミカ・キャッチングス(元インディアナ・フィーバー)、恩師ジェノ・オーリエマ ヘッドコーチ(コネチカット大学)が並び、ムーアを祝福した。ムーアは彼女たちを「友人であり、ロールモデルであり、仲間であり、私を成長させてくれた存在」と紹介した。

 ムーアは自身のキャリアを振り返り、「最大の望みはチームを助けることだった」と強調。そのうえで「信頼し合い、互いのために戦える関係がチャンピオンをつくる」と語り、コネチカット大学での全米制覇(2009、2010年)や、ミネソタ・リンクスで築いた王朝がその象徴だったと振り返った。

 さらに話題はコートの外にも及んだ。ムーアは「チャンピオンシップ文化はスポーツだけでなく、家庭や学校、地域社会にも存在する」と述べ、見えない努力や信頼関係の積み重ねが重要であると強調。「私自身もバスケットボールを通じて培った価値観を、地域社会やコミュニティづくりに生かしてきた」と語った。

 スピーチの中盤では、次世代に向けてのメッセージも投げかけた。「不安や恐れに突き動かされるのではなく、喜びや仲間とのつながりを原動力にしてほしい」と若い選手たちに呼びかけ、「一緒に学び、信じ合う文化を築くことが大切」と訴えた。

 最後にムーアは「私たちがここに立てているのは、並外れた競争心があったからだ。私もその一人」と語りつつ、「今はコミュニティにできるだけ多くの命を吹き込むことに挑戦している」と強調。「自分一人の力でレガシーは残せない。仲間や家族、夫ジョナサン、すべての人とのつながりがあってこそ意味がある」と結び、会場は温かい拍手に包まれた。

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