2019.02.21
開幕戦は、昨季平均得点リーグ1位のゴールデンステート・ウォリアーズと2位ヒューストン・ロケッツのカード。両チームともに、昨季以上の戦力を獲得し、オフェンス力に磨きがかかった。
まず、昨季の王者ウォリアーズは、優勝メンバーのほとんどがチームに残留。ファイナルMVPにも輝き、チーム2年目となる今季、さらなる存在感を見せそうなケビン・デュラント、リーグ屈指のシュート力を誇るステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの“スプラッシュ・ブラザーズ”、得点アシスト両面で輝くことのできるドレイモンド・グリーンを中心に、圧倒的なチームバスケットを展開してくるだろう。
そして、彼らのサポーティングキャストとして、キャリア通算37.6パーセントの3ポイント成功率を誇るニック・ヤングと同36.7パーセントを誇るオムリ・カスピが加入。キャッチ&シュートを得意とする彼らの加入は、相手ディフェンスの的を絞りづらくするだけでなく、オフェンスのスペースを広げることも期待できるので、彼らがフィットすればオフェンス効率はさらに上がる。
ただ、ロケッツも負けてはいない。リーグを代表する司令塔クリス・ポールが加入し、ポイントガードのスキルを身に着けた、ジェームズ・ハーデンとの超強力バックコートコンビが誕生。ポールの存在は、ハーデンのオフェンスでの負担を軽減することになるだろう。さらに二人のボールハンドラーのパスターゲットとして、1試合平均14.4本の3ポイントを成功させたシューター陣と、ピック&ロールを中心にいい連携を見せている成長株クリント・カペラと大ベテランのネネがいるのだから相手にとってはかなりの脅威だ。
昨季の対戦はウォリアーズの3勝1敗。オフェンスではほぼ互角の力を持っていた両チームだが、ウォリアーズがロケッツをディフェンス力の差で勝ち越した。しかし、今季は昨季のような差は生まれないはずだ。というのもロケッツは今季、ディフェンスで身体を張ることができるPJ・タッカーとルーク・バー・ア・ムーテを獲得しており、トレバー・アリーザを含む3人が交代でウィングの選手にマッチアップ可能なのだ。デュラントやトンプソンは自由にはプレーできないはずだ。
もちろんウォリアーズも、最優秀守備選手を受賞したグリーンを中心に、激しいローテーションを使ったチーム全体で相手を抑える強固なディフェンスを持っているので、ロケッツも簡単には得点を取らせてはもらえないだろう。
圧倒的なチームバスケットを武器に攻守両面で強さを見せるウォリアーズと、130点以上取ることができるオフェンス力にディフェンスを強化したロケッツの対戦は、オープニングナイトにふさわしい。これぞNBAというプレーを幾度となく観ることができるレベルの高い試合を観ることができるだろう。
文=中野知馬
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