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3月13日(現地時間12日)に行われたミルウォーキー・バックスとメンフィス・グリズリーズの試合で、ベンチスタートのブランドン・ジェニングスが約24分のプレータイムで16得点8リバウンド12アシストと大活躍し、バックスの勝利に大きく貢献した。
もともとジェニングスは2009年のドラフト1巡目全体10位でバックスに指名され、NBAデビュー7試合目となった09年11月15日(同14日)のゴールデンステート・ウォリアーズ戦で55得点を奪う超絶パフォーマンスを披露するなど、バックスの主軸として活躍。09-10シーズンから12-13シーズンまで、先発ポイントガードとしてプレーしてきた。
しかし13年夏にデトロイト・ピストンズへトレードされると、ジェニングスは昨季までの4シーズンでピストンズ、オーランド・マジック、ニューヨーク・ニックス、ワシントン・ウィザーズと渡り歩き、今季は中国リーグの山西ドラゴンズでプレー。その後バックス傘下のGリーグチームであるウィスコンシン・ハードで6試合に出場し、平均19.8得点5.2リバウンド7.3アシスト1.7スティールを挙げたのち、3月12日(同11日)にバックスと10日間契約を結んだ。ジェニングスは今季初戦で見事な活躍を見せたのである。
グリズリーズ戦で、約5年ぶりに古巣へ帰還したジェニングスが、現在イースタン・カンファレンス8位のバックスを勝利へと導いたのである。試合後、現地メディア『ESPN』に対し、ジェニングスはこのように語っている。
「俺は中国でもハードワークを続けてきただけさ。俺がアキレス腱のケガ(2015年1月下旬に左アキレス腱断裂)で傷ついたことを皆わかってないんだ。でも今はようやく健康を取り戻すことができた。中国でプレーしていた時、まるでオークヒル高でプレーしてた頃のように感じていたんだ」。
ジェニングスが語るように、自身のプレーレベルはNBAデビュー当時のような感覚を得ているようだ。バックスの選手たちも同意している。
ルーキーシーズンにジェニングスとプレーしていたジョン・ヘンソンは「彼がNBAでプレーできるかどうか疑問だなんて、俺はまったく思ってなかった。彼がこのチームにいることに、とてもエキサイトしてるよ」と元チームメートの復帰を喜んだ。
ジェニングスと入れ替わりでバックスに入団し、現在はエースを務めるアデトクンボはジェニングスが10日間契約ということに驚きを隠せないようだ。
「クレージーだ。ブランドン・ジェニングスはNBAプレーヤーなんだ。彼が今夜見せてくれたことについて俺は驚いたりはしない。彼が俺たちを前進させてくれる手助けをしてくれると信じてるよ」。
実は試合前、ジェニングスは「緊張していた」と振り返っていた。というのも「まるでルーキーとして最初のゲームみたいに感じていたんだ。このジャージーを着てプレーできることに感謝していた。とてもありがたいことさ」と語っていたのである。
イースト8位のバックスは、3月に入って2勝3敗と黒星先行だったため、プレーオフの上位シード獲得に向けて、ジェニングスにはベンチから出てくる起爆剤として期待がかかる。
ジェニングスはまだ28歳。自信と健康を取り戻したスコアリングガードが、今後もベンチからバックスに爆発力をもたらすことになりそうだ。