2018.12.16
3月16日(現地時間15日)終了時点で、リーグトップの54勝14敗を記録するヒューストン・ロケッツ。
MVP最有力候補とまで言われるジェームズ・ハーデン、攻防両面でソリッドなプレーを見せるクリス・ポール、得点とリバウンドで平均ダブルダブルをマークするセンターのクリント・カペラばかりに注目が集まりがちだが、ベテランのトレバー・アリーザの存在も見逃せない。
今季でキャリア14シーズン目をプレーするアリーザは、現有戦力の中で最も長い期間、ハーデンと一緒にプレーしてきた。2014-15シーズンからロケッツに加入し、先発スモールフォワードとして攻防両面で活躍。オフェンスでは毎シーズン平均12得点前後を記録し、ディフェンス面では、平均1.8スティールをはじめ、相手チームのスコアラーとマッチアップするなどロケッツに不可欠な選手としてプレーしている。
04-05シーズンにNBA入りしたアリーザは、これまでニューヨーク・ニックス、オーランド・マジック、ロサンゼルス・レイカーズ、ニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)、ワシントン・ウィザーズと渡り歩き、ロケッツにも09-10シーズンのみ在籍した経歴を持つジャーニーマン。
デビュー当時はドライブ重視のスラッシャーだったが、キャリアを重ねていくことでディフェンス面が上達し、アウトサイドシュートを磨いたことで、オールラウンダーとして知られるようになった。
チームメートでベテランセンターのネネは、アリーザのことを『NBA.com』へこうコメントしている。
「トレバーは何でもこなすことのできるブルーカラープレーヤー。彼のような選手がいることはとても重要だ。誰とでもオープンに接してくれるから、チームメート全員、彼のことが好きなんだ。そして彼はリーダーであり、全員のプレーをより良くしてくれるんだ」。
昨季からロケッツで指揮官を務めるマイク・ダントーニHCもアリーザについて称賛している。
「彼は常に自分自身を持っている。私は彼について不満に思うことはまったくない。今年はシューティングの面で例年よりも良いかもしれないね。しいて言えば、バスケットへ向かってもうちょっとドライブをすることかな。そうすれば、我々のゲームがさらに快適になるかもしれない」。
ロケッツ加入後、今季を含む4シーズンで見てみると、アリーザの3ポイントシュート試投数は6.2本以上を記録しており、成功率は35パーセント前後と、まずまずの成績を残している。キャリア最初の3シーズンは、いずれも平均試投数が0.2本以下だったことを考えると、アリーザはキャリアを重ねるごとに成長してきたことがわかる。
アリーザは現在の役割について、このように語っている。
「チームメートが僕に求めることをトライしようとしているだけ。ディフェンスだけでなく、チームが成功を収めるために手助けしてきた。ほかのこともやらなきゃいけないからね」。
これこそが、オールラウンドな能力を持ちつつも、献身的にプレーできるアリーザという選手を端的に表現している。そんなアリーザは、今季のチームをどのように見ているのだろうか。
「僕が知っている重要なことは、彼らがチャンピオンシップを勝ち取ることについてとてもハングリーだということ。このチームにエゴなんて存在しない。僕らは互いにコミュニケーションをとることができている。僕が思うに、次のステップへ進むうえで、コミュニケーションというのは最も重要な要素なんだ。そして僕らは楽しむことができている。プレッシャーなんて感じないだろうね。あとはコートに出てプレーするだけさ」。
今季のチームに、アリーザは手ごたえを感じていることは明らかだ。09年にレイカーズでチャンピオンに輝いた経験を持つアリーザが発する言葉だけに、説得力がある。そんなアリーザが心がけていることは、「アグレッシブでいること」(アリーザ)だという。
「100パーセント、アグレッシブでいなければならない。アグレッシブでなければ、このチームを手助けすることはできないだろう。これまでしてきたことが台無しになってしまうからね」。
戦力が充実している今季のロケッツにおいても、アリーザはコート上の潤滑油として不可欠な存在であることは間違いない。シーズン終盤戦、そしてプレーオフを戦い抜くうえで、この男がチャンピオンシップ争いのカギを握っていると言っても過言ではない。
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