2018.07.20
イースタン・カンファレンス・ファイナル第7戦で、クリーブランド・キャバリアーズに敗れてしまい、NBAファイナルまであと1勝に迫ったボストン・セルティックス。
ゴードン・ヘイワード、カイリー・アービングという2人のオールスター選手をプレーオフで欠いていたことを考えると、セルティックスは予想外の大躍進を果たした“シンデレラチーム”と言ってもいいかもしれない。
献身的なプレーで指揮官ブラッド・スティーブンズHCからの信頼も厚いアル・ホーフォード、新人ながら冷静沈着なプレーで得点源を務めたジェイソン・テイタム、攻防両面でアグレッシブなプレーが光ったジェイレン・ブラウン、どんな場面であろうと物おじしない姿勢でけん引したテリー・ロジアー、持ち味のシュート力を要所で見せ付けたマーカス・モリスなど、彼らがステップアップしたからこそ、ここまでの好位置まで勝ち進むことができた。
そして、忘れてはならないのがマーカス・スマートだ。キャリア4シーズン目、193センチ99キロという筋骨隆々な24歳は、主にベンチスタートではあるものの、欠場者が出た場合はスターターとして出場するなどマルチな働きで平均29.9分に出場。
今年のプレーオフでは平均9.8得点3.7リバウンド5.3アシスト1.7スティールをマーク。フィールドゴール成功率は33.6パーセント、3ポイントシュート成功率は22.1パーセントと、コンボガードとしては決して称賛できる数字ではない。
だが、セルティックスが勝利した試合では、必ずといっていいほどスマートの活躍があった。アグレッシブにリバウンドやルーズボールへ跳び込んではチームを盛り立て、献身的なプレーでセルティックスを支えていた。
フィラデルフィア・セブンティシクサーズとのシリーズでは213センチのジョエル・エンビードとのリバウンド争いを制して3ポイントプレーを決め、クリーブランド・キャバリアーズとのシリーズではレブロン・ジェームズをブロックするなど、スマートはファンから愛される選手の代表例と言っていいだろう。
そのスマートは、今夏に制限付きフリーエージェント(FA)となる。バックコートに高いディフェンス力を求めるチームであれば、24歳のスマートは魅力的に映っていることだろう。そういったチームから高額オファーが届いたとしても、決して驚くことではない。
だが、スマートはボストンを離れるつもりはないという。現地メディア『ESPN』に対して、スマートはこのように語っていた。
「俺はここにいる。彼ら(フロント陣)は俺に対して、ここに残ってくれるようにと、すでに(再契約の)計画をしてくれている」とスマートは言う。「彼らには脱帽しているよ。そこまでしてくれる組織はそうそうないからね」と続けた。
もっとも、セルティックスは昨夏ヘイワードと契約を結んだこともあり、スマートが高額契約を手にすることは厳しいかもしれない。来季のセルティックスはヘイワードにホーフォード、カイリーの3人だけで8,000万ドル以上も支払うことになる。そのため、スマートは今夏、再契約をするのではなく、クォリファイングオファー(QO)を受け入れ、来夏に制限なしFAとなる可能性もありそうだ。
「俺はここにいたい。このチームを愛してる。このチームが醸し出す雰囲気も大好きだ。俺はこのチームに4年間いた。俺のハートはここにある」。
スマートとセルティックスは、おそらく相思相愛な関係にある。そのため、今夏に再契約かQOを受け入れて、来季もセルティックスのユニホームに袖を通すことになるはずだ。
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