2019.04.02
2012年ドラフト1巡目6位でポートランド・トレイルブレイザーズから指名されたデイミアン・リラードは、今季でチーム一筋7シーズン目を迎えた。
1月末。ドラフト同期のアンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)がペリカンズ側に契約延長をしない旨を伝えたことは記憶に新しい。デイビスは代理人のリッチ・ポールを通じてコンスタントに勝利でき、チャンピオンシップ争いが狙えるチームへの移籍を志願したことは、今季リーグ最大級の衝撃となった。
そんな中、リラードは2月20日(現地時間19日)に現地メディア『Yahoo! Sports』へ掲載された記事の中で、自身の信念をこのように語っていたので紹介したい。
リラードは同メディアに対して「俺はなんとしてでもチャンピオンシップを勝ち取りたい。だがそれ以上に、俺にとって重要な意味を持つことがある。俺は(優勝するために)自分を売り出して他チームへ行くつもりはないということ」とコメント。
チームメートやコーチ陣、トレーナーなど、リラードは現在自身が置かれている環境に感謝しており、ブレイザーズという組織のために優勝したいことを明かした。
「俺たちは皆、チャンピオンシップを勝ち取るためにプレーしているのは明らかだ。俺だって勝ち取りたいと思ってる。チャンピオンシップを懸けて(他チームと)競い合ってるんだ。だだそのうえで、俺にはチームメートたちやコーチ陣、スタッフたちとの関係や、自分が他の人たちや彼らの人生においてインパクトを与える力があるということ、そして自分自身のキャリアにどんな影響を与えるか、といった多くのことが潜んでいることを学んできた。俺はそのことを楽しんでいるんだ」。
ステフィン・カリーやケビン・デュラントをはじめとする5人のオールスターが集結したゴールデンステイト・ウォリアーズを筆頭に、現在NBAには複数のオールスター選手が集結したスーパーチームが存在する。
だがリラードは昨夏、優勝するためだけに所属チームを飛び出して優勝候補に挙がるチームへ加入することは「俺のスタイルじゃない」と一刀両断。昨年、「ブレイザーズ史上最高の選手になりたい」と明かしていたように、リラードはあくまでブレイザーズを率いて優勝することにこだわっているのである。
ブレイザーズは現在ウエスタン・カンファレンス4位(34勝23敗)。リラードはこのチームのエースとして、平均26.3得点4.5リバウンド6.4アシスト1.2スティールでチームをけん引。
リラードはCJ・マッカラム、ユスフ・ヌルキッチ、アル・ファルーク・アミヌ、モーリス・ハークレスと共にスターターを形成。ベンチにはエバン・ターナーやセス・カリー、ジェイク・レイマン、ザック・コリンズ、マイヤーズ・レナードがいるのだが、ブレイザーズは2月に入って選手層をさらに厚くすることに成功。
ブレイザーズは5日(同4日)にクリーブランド・キャバリアーズとのトレードでロドニー・フッドを獲得。14日(同13日)にはニューヨーク・ニックスから解雇されたエネス・カンターと契約した。
203センチのフッドは得点力に優れたスイングマンで、ここまで4試合にベンチから出場し、平均23.0分9.8得点をマーク。ショット全般も好調で、ベンチ陣の得点力をアップさせている。211センチ113キロのカンターはブレイザーズでは現時点で試合に出場していないものの、今季ニックスで平均25.6分のプレータイムながら14.0得点10.5リバウンドを挙げる実力者。
フッドとカンターの加入によって、ブレイザーズは近年では最強と言ってもいいロースターを形成した。昨季のプレーオフではウエスト第3シードで出場し、1回戦でペリカンズに屈辱のスウィープ負けを喫したものの、今季は間違いなく昨季以上の戦力を有している。
今季、ブレイザーズがどこまで勝ち上がることができるのか。今から楽しみでならない。
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