2019.06.14
昨季リーグトップの65勝17敗、今季はウエスタン・カンファレンス4位の53勝29敗を挙げたヒューストン・ロケッツは、リーグ最高級のオフェンシブプレーヤーとして君臨するジェームズ・ハーデンを中心に、優勝候補としてプレーオフを戦ってきた。
だが、昨季はウエスト決勝で3勝4敗、今季はウエスト準決勝で2勝4敗と、2年連続で王者ゴールデンステイト・ウォリアーズの前に優勝の夢を砕かれている。
ロケッツのジェネラルマネジャー(GM)、ダリル・モーリーはメディアの前で「すべてはウォリアーズを倒して優勝するため」と何度も発言し、積極的に戦力増強を行ってきたのだが、今夏は例年以上にロースターを入れ替えることになりそうだ。
というのも、リーグの情報筋が『ESPN』へ伝えたところによると、モーリーGMはタイトル・コンテンダーとなるべく、ロースター全員と将来のドラフト指名権についてトレード可能というスタンスに切り替えたという。
おそらく、ロケッツはハーデンを除くロースター全員のトレードに対して動き出すこととなる。昨季のMVPハーデンは、今季もMVPの最終候補に入っており、オールNBAファーストチームには3年連続で選出。今季はリーグベストの平均36.1得点に6.6リバウンド7.5アシスト2.0スティールという申し分ない成績を残しており、ロケッツがこの男を手放すことは考えにくい。
また、オースティン・リバースやジェラルド・グリーン、ケネス・ファリード、ダヌエル・ハウスJr.といったロールプレーヤーたちは今夏制限なしのフリーエージェント(FA)となるため、トレード候補は絞られてくる。
つまり、来季もロケッツの契約下にある先発ポイントガードのクリス・ポール、ビッグマンのクリント・カペラ、得点力が魅力のエリック・ゴードン、攻防両面で貴重な働きを見せるPJ・タッカー、ベテランセンターのネネ(5月上旬に今夏引退の意向を表明)あたりが、今夏トレード候補になるということ。
同メディアでは25歳のリムプロテクター、カペラに対してトレードに関心を示すチームが最も多いだろうと報じている。今季平均16.6得点12.7リバウンド1.5ブロックを挙げたカペラは、クリスタプス・ポルジンギスの相棒としてダラス・マーベリックスが興味を示しているというウワサもあり、今夏にトレードが成立するかもしれない。
オールスター選出9度を誇るポールは、いずれも現役トップの9,181アシストと2,122スティールを記録する生粋のポイントガード。34歳になったとはいえ、今季は平均15.6得点4.6リバウンド8.2アシスト2.0スティールを挙げている。
ロケッツのオーナーを務めるティルマン・ファーティタ氏は先日、「クリスはゲームを通じて、相手チームを崩壊させることができるんだ」と地元メディア『The Houston Chronicle』へ語っており、オーナーからの評価は高い。
だが、ここまで挙げた選手たちの中で、来季の年俸が1,000万ドル(約10億9,000万円)を下回るのはタッカーとネネのみ。ポールは約3,851万ドル(約41億9,759万円)、カペラは約1,690万ドル(約18億4,210万円)、ゴードンは約1,406万ドル(約15億3,254万円)と超高額。ゴードンの契約は来季までだが、ほかの2人は複数年続くため、大きなリスクが伴う。
はたして、ロケッツは今夏ロースターをグレードアップさせて来季を迎えることができるのか。引き続き注目していきたい。
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