2020.04.14

モラント最有力という新人王争いにケンドリック・ナンが反論「勝利数では上回ってる」

今季のルーキーの中で出場時間や得点、アシストで上位に入るナン[写真]=Getty Images
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「僕らは勝利を重ねていて、プレーオフチームでもある」と主張するナンだが…

 新型コロナウイルスの影響により、NBAは3月13日(現地時間12日、日付は以下同)をもってレギュラーシーズンを中断。今後シーズンが再開する具体的な日程は決まっておらず、現段階のままシーズンを終えることも十分あるというのが現状。

 そんな中、マイアミ・ヒートのドラフト外ルーキー、ケンドリック・ナンが4月13日に地元メディア『South Florida Sun Sentinel』へ掲載された記事の中で、自身こそが新人王だと発言した。

「僕はこのリーグで先発ガードなんだ。シーズンを通してスターターを務めているし、僕らは勝利を重ねていて、プレーオフチームでもある。だから僕は、間違いなくこのリーグでプレーできることを証明できたと思ってる」。

イースト上位のヒートにおいて、ナン(右)はチームトップのフィールドゴール試投数を残している[写真]=Getty Images

 シーズン中断時点で、ナンが所属するヒートはイースタン・カンファレンス4位の41勝24敗(勝率63.1パーセント)。ジミー・バトラーというオールスタープレーヤーを中心に、ヒートはここまで白星先行を続けており、ナンは62試合すべてでスターターとしてプレー。平均29.8分15.6得点2.7リバウンド3.4アシストという好成績を残している。

 今季のルーキー全体の成績で見ても、ナンは平均出場時間で6位、得点で3位、アシストで4位に入っており、10-11月から3か月連続で月間最優秀新人賞を獲得。

 昨年11月末には「新人王は間違いなく自分だと感じている」と切り出し、「まだ早い時期だけど、これまで見せてきたパフォーマンスを見れば、僕が(新人王争いを)リードしていることは間違いないんじゃないかな。今のパフォーマンスをシーズン終了まで継続して、新人王を勝ち取ることができるといいね」と自信をのぞかせていた。

「最も評価されるべき要素は勝利数で、僕のチームが上回ってる。だからこそ、僕に新人王が与えられるべきだと思うね」と話したナンへモラントが反応

 といっても、今季の新人王筆頭候補はジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)というのが大方の予想。昨年のドラフト全体1位指名のザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)が19試合の出場ながら平均23.6得点6.8リバウンドを残して両部門でトップに立っているものの、モラントはグリズリーズのエースとしてウェスタン・カンファレンス8位(32勝33敗)という予想外の躍進を果たした立て役者であり、ここまで平均17.6得点3.5リバウンド6.9アシストを残しているのだから思わず納得というパフォーマンスと言っていい。

 だがナンも負けてはいない。「新人王はこの僕だ。皆は彼(モラント)が新人王と言うだろう。でも僕は信じないね。最も評価されるべき要素は勝利数だ。僕らは互いに先発ガードだけど、勝利数では僕のチームが上回ってる。だからこそ、僕に新人王が与えられるべきだと思うね」。

 ちなみに、ナンのコメントをつけてツイッターへ投稿した『NBA Central』を見て、モラントは自身が笑みを浮かべているGIF動画でリアクションし、「なぁに言ってんだ?」とでも言いたいような反応を見せていた。

グリズリーズ躍進の立て役者となったモラントは、個人成績の面でもナンを上回っている[写真]=Getty Images

 所属チームの勝利数だけでいえば、ヒートがグリズリーズを上回っていることは事実。だが新人王は有力なルーキーの所属するチームの勝敗で決まるものではなく、個人成績とインパクトの強さが大きく左右する世界。現時点で新人王を選ぶなら、1位がモラント、2位がザイオンになるだろう。

 ナンはバトラーやバム・アデバヨゴラン・ドラギッチを差し置いて、チームトップのフィールドゴール試投数(平均13.7本)を記録しているとはいえ、平均得点はチーム4位。ヒートにはタイラー・ヒーローというルーキーがいるほか、ダンカン・ロビンソンという3ポイントシューターも在籍しており、チーム内のインパクトでトップに入っていないだけに、モラントを超える得票数を手にすることはさすがに厳しいのではないだろうか。

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