2020.08.03
NBAのレギュラーシーズンには、新人王(ROY)や最優秀守備選手賞(DPOY)、最優秀シックスマン賞や最優秀躍進選手賞(MIP)といったアワードがあるのだが、最も価値ある個人賞として知られるのがMVP(最優秀選手賞)だろう。
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防止すべく、NBAは今季、前代未聞のシーズン中断となり、7月31日(現地時間30日、日付は以下同)からフロリダ州オーランドで今季のチャンピオンを決めるべく、第二幕が行われるのだが、これまでに挙げた個人賞の選考期間はシーズン中断となった3月12日までとなる。
今季のMVP候補は、各カンファレンスで所属チームをトップへと導いた2大スーパースター。イースタン・カンファレンス首位でリーグトップの戦績を誇るミルウォーキー・バックス(53勝12敗)のヤニス・アデトクンボ、そしてウェスタン・カンファレンス1位に君臨するロサンゼルス・レイカーズ(49勝14敗)が誇る“キング”ことレブロン・ジェームズによる一騎打ちという様相だ。
21日に『ESPN』が掲載した、20名の専門家による投票結果はアデトクンボ(17票)がレブロン(3票)を圧倒。2シーズン連続のシーズンMVPが濃厚となったのだが、レジェンドのアービン“マジック”ジョンソン(元レイカーズ)はレブロンをプッシュ。28日にYouTubeへ公開された『ESPN』の「The Jump」で、マジックはこう話している。
「レブロンはものすごく多くの点でゲームに影響をもたらしている。それに今シーズンはほとんど平均トリプルダブルの成績を残しているんだ。信じられないほど優れたリーダーとなっており、チームメートたちをまとめ上げ、彼らを見事にけん引している。彼は今、クリーブランド(キャバリアーズ)からレイカーズへと移籍し、チャンピオンシップを勝ち取ることができるんだと証明したがっている。私はレブロンがすばらしいシーズンをプレーしていて、アンソニー・デイビスを新たなレベルへと引き上げたと思う。レブロンには本当に感動している」。
キャリア17年目のレブロンは、ここまで平均25.7得点7.9リバウンド1.2スティールにキャリアハイの10.6アシストをマーク。ロースターの半数以上が入れ替わる中、レブロンは抜群のリーダーシップを発揮し、レイカーズをリーグ最高級のチームへと押し上げた殊勲者と言っていい。
今年3月に「俺はレギュラーシーズンMVPに選ばれることを目標にしたことはない。これまででベストな存在になることが俺を突き動かすものであり、これまで複数回のMVPに選ばれたのはその結果だと見ている」とレブロンは話していたものの、今季のパフォーマンスは通算5度目のMVPを受賞する資格が十二分にあると言っていい。
もちろん、マジックが「ヤニスはとてつもないシーズンを送っている。彼がMVPを受賞したとしても、私は驚いたりはしない」と口にしたように、アデトクンボも平均29.6得点13.7リバウンド5.8アシストという申し分ない成績を残している。
マジックはあくまで「私の中ではレブロンが間違いなくMVPを手にすると見ている。私の中ではね」と個人的見解だと補足することも忘れていなかった。
なお、フランク・ボーゲルHC(ヘッドコーチ)も20日に記者たちを前に「レブロン・ジェームズ以上に勝利するうえでインパクトを放っている選手などいない。私は今シーズン、彼がMVPに選ばれるべきだと信じている」とレイカーズの司令塔へ最大級の賛辞を送っていた。
はたして、アデトクンボとレブロンという“新旧MVP経験者”による一騎打ちはどちらに軍配が上がるのか。第二幕のスタートを前に、こちらの行方も気になるところだ。
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