2020.12.20
ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズは、今季自身4度目のNBAチャンピオンに輝き、4度目のファイナルMVPを獲得した。
キャリア17シーズン目を終えたバスケットボール界の“キング”は、これでマイアミ・ヒート(2012、13年)、クリーブランド・キャバリアーズ(16年)に次いで3チームで優勝し、いずれもファイナルMVPを獲得。NBAファイナルという頂上決戦にはここ10年で9度目、通算10度目の出場となった。
4度目のファイナルMVPを手にしたことで、レブロンはアービン“マジック”ジョンソン(元レイカーズ)、シャキール・オニール(元レイカーズほか)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ/いずれも3度)を抜き、歴代単独2位へと浮上。
レブロンを上回るのは、1990年代にシカゴ・ブルズを2度の3連覇へと導き、計6度のファイナルMVPを獲得したマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)のみ。レブロンがレイカーズで優勝したことで、史上最強を意味する“G.O.A.T.論”はさらに拍車がかかったと言っていい。
とはいえ、全体的に見ればジョーダンを推す声が依然として多いというのが現状だ。ファイナルという頂上決戦で6戦無敗のジョーダンに対し、レブロンは4勝6敗。両者はNBAでプレーしていた時代も違えば、期間についても差がある。
そんな中、94、95年にヒューストン・ロケッツを2連覇へと導いたアキーム・オラジュワン(元ロケッツほか)が持論を展開。ジョーダンとは1984年のドラフト同期であり、歴代屈指のセンターとして殿堂入りも果たしたオラジュワンはジョーダンとレブロンによる“G.O.A.T.論”について、先日『CNBC』へこう語っていた。
「彼(レブロン)とジョーダンを比較し始めると、それがフェアな比較じゃないことが分かるはずだ。ジョーダンはものすごくタフなリーグにおいて、はるかに優れた選手だったからだ。そして非常にクリエイティブだった。別に私はレブロンの全てを取っ払っているわけではない。彼はすばらしい選手なんだ。でもこれはフェアな比較とは言えないね。ジョーダンははるかに優れた選手なのだから」。
オラジュワンは現役時代にレブロンと対戦したことはなく、ジョーダンともプレーオフで対決することはなかった。だがセンター離れした軽快なフットワークと巧みなフェイクを絡めた“ドリームシェイク”でマッチアップ相手を交わしてフックショットやレイアップ、ダンクでフィニッシュしたほか、鮮やかなフェイダウェイジャンパーを決めるなどバラエティ豊富なオフェンス力を見せた。
キャリア平均21.8得点11.1リバウンド2.5アシスト1.7スティール3.1ブロックを記録しているように、ディフェンダーとしても超一流。通算3830ブロックはNBA歴代1位、同2162スティールでも9位に入っており、最優秀守備選手賞にも2度輝いている。
ジョーダンとレブロンという、NBA史上最高級の選手を比較するのは簡単なことではない。両者が全盛期に同じコートで対決したことがないのであればなおさらだ。その中で、攻防兼備のビッグマンとして活躍したオラジュワンは現役時代に対決したジョーダンの凄さを強調していた。
もっとも、12月末に36歳を迎えるレブロンは依然としてリーグベストプレーヤーの1人であり、この男のキャリアはまだまだ続いていく。そのため、ジョーダンとの“G.O.A.T.論”に決着をつけるのはまだまだ先のことになりそうだ。
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