ラヴィーンやブーチェビッチと共闘するデローザン「一丸となってやっていけるさ」

今季ブルズでチームメートとなるデローザン（左）とラヴィーン（右）[写真]=Getty Images

　8月14日（現地時間13日）。今夏のフリーエージェント（FA）戦線でシカゴ・ブルズへ加入したデマー・デローザン、ロンゾ・ボール、アレックス・カルーソが入団会見に応じた。

　ブルズは昨季途中にザック・ラヴィーン、ニコラ・ブーチェビッチというオールスターデュオを形成してプレーオフ進出を目指したが、イースタン・カンファレンス11位の31勝41敗に終わり、プレーイン・トーナメントへ進出できず、4シーズン連続でプレーオフを逃すことに。

　それでも、ロースターにはラヴィーンとブーチェビッチに加え、コービー・ホワイト、パトリック・ウィリアムズ、トロイ・ブラウンJr.がおり、サイン&トレードでサンアントニオ・スパーズからデローザン、ニューオーリンズ・ペリカンズからボールを獲得し、FAのカルーソとトニー・ブラッドリーと契約、さらにはジャボンテ・グリーンと再契約を結んだ。

　特にデローザンはオールスター選出4度、オールNBAチーム選出2度を誇るベテランスウィングマンで、昨季は平均21.6得点4.2リバウンドにキャリアハイの6.9アシストを残しており、ブルズはラヴィーン、ブーチェビッチ、デローザンという平均20得点超えが計算できる選手を3人もそろえることに成功。

　サザンカリフォルニア大時代のチームメート、ブーチェビッチも含めて、デローザンは新天地についてこう話す。

「彼ら（ブルズ）のロースターを見て、どの選手も挑戦的にプレーすることが分かった。ブーチ（ブーチェビッチの愛称）はカレッジの頃からどんな選手なのか、彼がどれだけ勝利を欲しているかも知っている。ザックは大舞台でプレーしたがっていて、シーズン中に残したスタッツ（平均27.4得点5.0リバウンド4.9アシスト）よりももっと上で競い合うことを望んでいる。僕もいつもその姿勢でやってきた。それにロンゾもいる。たくさんのことを持ち込んでくれるポテンシャルがあるんだ」。

　今季ブルズの予想スターターはボール、ラヴィーン、デローザン、ウィリアムズ、ブーチェビッチという布陣。ボールは昨季ペリカンズで平均14.6得点4.8リバウンド5.7アシスト1.5スティールに加え、3ポイント成功率37.8パーセント（平均3.1本成功）を残した198センチの大型司令塔だ。

「僕は全てのことはなにか理由があるからこそ起こるんだと考えている。それに緻密に計画されて起こるんだと思っているんだ。僕としては人生のこの時点で、シカゴ・ブルになる時だったのだと思う。シカゴにいられてハッピーだ。ニューオーリンズでも何人かと良い関係を築いてきたから、うまくいっていたかもしれない。でもさっきも言ったように、全てのことには理由がある」と新たなチャレンジを前向きに捉えていた。

今季からブルズの司令塔を務めるボール[写真]=Getty Images

　ボールはともかくラヴィーン、デローザンというスラッシャータイプを2人もそろえたことで、ブルズはかみ合うのか、どうなっていくのかといった疑問の声もあるのだが、デローザンは意に介さず。

「これはバスケットボールなんだ。多くの人たちが（それについて）話して批判しているのを見るけど、彼らはきっとバスケットボールをプレーしたことがないんだろうね。僕にとっては皆が同じ目標、メンタリティ、勝利への欲があれば、そんなことは関係ない。一丸となってやっていけるさ」。

　現時点における選手としての実績では、デローザンがラヴィーンを上回る。だがデローザンは2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでアメリカ代表として金メダルを獲得した経験を例に出し、今夏ラヴィーンがアメリカ代表として東京オリンピックで金メダルを手に入れたことで、ブルズのエースがさらに成長すると見ているようだ。

「世界の中でもすばらしい選手たち、最高のマインド、すばらしいコーチ陣がいるグループで過ごしてみると、究極の自信、究極のハードワーク精神を与えてくれるんだ。エリートのカテゴリーに仲間入りし、シーズンへと持ち込むことができる。彼らには勝利するメンタリティがあるんだ」。

　ブルズは制限付きFAのラウリー・マルッカネンの去就が決まっておらず、サイン&トレードで複数の選手を失ったことで、開幕前にロースターを集めていくこととなる。それでも、ビリー・ドノバンHC（ヘッドコーチ）の下、ブルズは今季こそプレーオフへと駒を進めることができるよう、トレーニングキャンプから万全の態勢で取り組んでいくに違いない。