2022.01.25
大改革に着手したヒューストン・ロケッツは、今シーズンまだ1勝しか白星を挙げておらず、勝率は7.1パーセントに止まっている。非常事態とも思えるこの状況。しかし、若手プレーヤーに出場時間を与えることのメリットは、今季のゴールデンステイト・ウォリアーズが身をもって証明しており、皆まで言う必要はないだろう。
現在のヒューストンには、それ以上に解決しなければならないことがある。それは、ジョン・ウォールの去就問題だ。
2020年、球団は絶対的エースだったジェームズ・ハーデン(ブルックリン・ネッツ)とラッセル・ウェストブルック(ロサンゼルス・レイカーズ)を放出。その見返りにケンタッキー大学出身のエリートを迎え入れたフロントの動きは、戦力維持と再建の両軸を満たす選択として、アナリストやファンから一定以上の評価を受けた。
しかし、1年目は懸念されていたケガの影響でシーズンの約半分を休場。そして今季のオフ、2010年とフロントはウォールの新天地を探す方向で合意に至り、完全な健康状態にあるにもかかわらず、ロケッツの明るい未来を優先して出場を辞退している。
『Fadeaway World』によれば、今後2年でウォールが受け取るサラリーは、バスケットボールの神様にして、現在はシャーロット・ホーネッツのオーナーを務めるマイケル・ジョーダンがブルズ在籍時に稼いだサラリーとほぼ同額であるという。
もちろん、今とジョーダンの時代でサラリーの常識は大きく異なる。それでも、1997-98シーズン、ジョーダンは3300万ドル(約38億円)のサラリーを受け取っていた。
リーグのスターであるパトリック・ユーイング(元ニューヨーク・ニックスなど)が全体2位の2000万ドル(約23億円)、ホレス・グラント(元ブルズなど)が3位で1400万ドル(約16億円)であったことを踏まえると、いかにジョーダンが当時としてはケタ外れな契約を結んでいたかがお分かりいただけるだろう。(ちなみに、ジョーダンが初優勝を果たした際は、契約金はリーグ全体8位だった)
ウォールは現在、リーグでステフィン・カリーに次ぐ2位タイの年俸を受け取っており、この金額はラッセル・ウェストブルック、ケビン・デュラン(ブルックリン・ネッツ)ト、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、さらにはレブロン・ジェームズ(レイカーズ)よりも高額。これは、リーグに所属する99パーセントの選手よりも高給取りであることを意味する。
そんなウォールが今季は一度も出場していない。ただし、その秘めた才能は間違いなく、実力はリーグトップクラスで、きっとウォールのプレーを心待ちにしているファンも少なくないだろう。
冬に移籍がまとまれば、今季中にコートにウォールが帰ってくる。高額年俸という足枷はあるが、1日でも早く、行き先が決まることを願いたい。
文=Meiji
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