2021.11.10

Bleacher Reportのルーキーランキング…トップ5にドラフト1・2位が不在の波乱

今年のドラフトで1位指名を受けたカニングハム(右)と同2位のグリーン(左)[写真]=Getty Images

 NBAの2021-22シーズンは、まもなく序盤戦が終了しようとしている。一部主力の離脱もあったが、各球団の完成度や調子の良さは概ね感触が掴めたのではないだろうか。

 夢の大舞台のデビューに最初は硬かったルーキーたちも、少しずつ肩の力が抜けてきた様子。今年は下馬評通りの豊作で、すでに欠かせない戦力としてカウントされている選手も少なくない。

 米大手メディア『Bleacher Report』はこれまでのパフォーマンスをもとに、独自のルーキーランキングを公開。ランキングトップ5には、ドラフト1位のケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)、2位のジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)が不在という波乱の結果となった。

トップ5に輝いたのは…?

 未来のスター候補を押さえて1位に輝いたのは、エバン・モブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)だ。11月1週目のニューヨーク・ニックスの対戦では、26得点、9リバウンド、5アシストを記録。プラス/マイナス(選手出場時の得失点差)でも+26をマークし、素質の高さを改めて証明した。早くもジャレット・アレンのパートナーの地位を確立したモブリーは、ビッグマン離れしたハンドリングとショートロールなどを駆使したコンビネーションプレーで得点を量産。ペイントエリアでは約79パーセントのフィールドゴール成功率を誇り、エリートフィニッシャーぶりを発揮している。線の細さは否めないが、ポジショニングと卓越した危機察知能力でリムプロテクターとしての貢献度も高く評価されている。

モブリーは210センチと大柄ながら、ボールハンドリングなど小技も得意とする[写真]=Getty Images


 モブリーに肉薄するのは、渡邊雄太の同僚、スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)だ。今月4日に公開された『NBA Kia Rookie Ladder』で1位に君臨したフロリダ州立大学出身のパワーフォワードは、エナジー溢れるプレーで攻守ともに存在感を発揮。成長の余地があるとされていたショットメイキングとミドルレンジにも改善が見られ、向上心と吸収性という観点でも底知れないポテンシャルが垣間見える。これまでのパフォーマンスを見ると、現役ナンバーワンプレーヤーとの呼び声も高いケビン・デュラントが、名指しで褒め称えていたのも納得がいく。

バーンズはケビン・デュラントから名指しで称賛された[写真]=Getty Images


 続く3位には、フランツ・ワグナー(オーランド・マジック)がランクイン。開幕からスターターとして球団からの信頼と期待が伺えるモリッツ・ワグナーの実弟は、1試合平均13.7得点と安定した成績を残し、フィールドゴール成功率47パーセント、3ポイントシュート成功率39パーセントと、ルーキーとしては上々の確率をマークしている。とりわけ、キャッチ&シューターとしてコール・アンソニーやジェイレン・サッグスにオフェンスオプションを提供し、攻守共に高いバスケットIQを発揮。『Bleacher Report』は、ワグナーを「質の高いロールプレーヤーとしても活躍ができる」と評価しながらも、プルアップジャンパーに磨きがかかれば、長らくトップ選手としての未来が約束されることになるだろう。

 以下には、下馬評以上の活躍を披露するクリス・ドゥアルテ(インディアナ・ペイサーズ)とNBLで新人王とアシスト王のダブル受賞歴のあるジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)、圧巻のディフェンススキルを誇るエースキラーのデイビオン・ミッチェル(サクラメント・キングス)が続き、ようやく7位にジェイレン・グリーンが登場するという結果に。

 果たしてこの先、ランキングがどのような変動を見せるのか。いずれにせよ、今年は例年以上にルーキーを追いかけるのが楽しい1年になるだろう。

 文=Meiji

■『Bleacher Report』のNBA2021-22ルーキーランキング
1位:エバン・モブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)
2位:スコッティ・バーンズ(トロント・ラプターズ)
3位:フランツ・ワグナー(オーランド・マジック)
4位:クリス・ドゥアルテ(インディアナ・ペイサーズ)
5位:ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー)
6位:デイビオン・ミッチェル(サクラメント・キングス)
7位:ジェイレン・グリーン(ヒューストン・ロケッツ)
※発表は7位まで

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