2021.11.05

八村塁の復帰は目前か…ウィザーズHCが戦術理解度を深めている段階と明かす

八村塁の復帰は間近?[写真]=Getty Images

 具体的なタイムテーブルはないとされてきた八村塁の復帰について、関係者たちの間で同選手の動向は不透明で、チーム内では彼に触れることがまるで“タブー”のようだったとの報道もあり、日本のNBAファンたちは八村の現状を不安に思っていたに違いない。

 しかし、それから間もなく、ワシントン・ウィザーズの内情に精通するクイントン・マヨは、八村が今シーズン初めてチームメートとともにジムでワークアウトを実施したことを伝えた。また、チームのリーダーたちとキャッチアップしたことも報告され、復帰に向けて着々と前進していることが伺えた。

 背番号8が正式に合流するためには、正しいステップを踏まなければならない。特に、今シーズンからヘッドコーチに就任したウェス・アンセルドJr.が導入した新しいシステムへの順応は必要不可欠だ。

 八村は、デビューから2シーズンをスコット・ブルックス前HCのもとで過ごした。しかし、NBA3年目の指揮官はブルックス前HCとは全く異なる哲学を掲げている。

 アンセルドJr. HCもその必要性を感じているようで、戦術面での理解については八村とコミュニケーションを取っているという。

「塁にとって、バスケットボールに関することで最も重要なのは、用語を学ぶことだと思います。彼はバスケの世界に長く身を置いているので、基本的なことは分かっているでしょうけどね」

「私たちは皆、異なる用語を覚えています。ただ、言葉が変わっただけなんです。彼は我々のビデオプレイブックにアクセスでき、私は彼がその一部を見ているのを知っています。私と塁はそれについて話し合いもしました」

 八村は個人的な事情から、トレーニングキャンプ、プレシーズン、そしてレギュラーシーズンの数週間をすべて欠場。新体制のチームにおける戦術理解度、新加入選手とのケミストリー構築に遅れを取っているのは、紛れもない事実だ。

 だからこそ、アンセルドJr. HCは八村のスムーズな合流を望んでいる。

「彼は私たちがどのようにプレーをし、どのようなショットを探し、どのようにフロアにスペースを確保したいかについて、ジェネラルな感覚を持っていると思います。なので、チームの方針に適応しながら、どのようにプレーするかを心得なければならないのです。時が来たら、彼をコートに送り出し、それらを実践に移すことで、より成長を促すことができるでしょう」

 これまでの一連の流れを振り返ると、ウィザーズがいかに八村を大切に思っているかが分かる。ゴンザガ大学の後輩でもあるルーキーのコーリー・キスパートもすでに数回、八村とは練習場で顔を合わせたようで、「彼が自分と話したかったり、一緒にいたいのであれば彼のためにそうする。でも、詮索はしたくない」と語ったそう。

 そんなキスパートは、先輩が「意外と早く復帰する」と推測している模様。再びNBAのコートで「Rui Hachimura」の名前がコールされる日は、そう遠くないのかもしれない。

 文=Meiji

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