2022.02.04
12月18日(現地時間17日、日付は以下同)に『The Athletic』へ掲載された記事の中で、ミネソタ・ティンバーウルブズのカール・アンソニー・タウンズはこんな言葉を残していた。
「僕はね。ビッグマンとして史上最高のシューターなんだ。スタッツを見てくれよ。他の誰とも違うからね。僕がオリジナルなら、他の皆が第二の僕になるべく彼らの居場所を見つけようとするのさ」。
今季でキャリア7シーズン目のタウンズは、公称211センチ112キロのビッグマン。キャリア平均で23.0得点11.4リバウンド3.0アシスト1.4ブロックを残す26歳はサイズとパワー、スピードを兼備しており、オールスターに2度選ばれた実績がある。
通算フィールドゴール52.6パーセント、3ポイント39.7パーセント(平均1.6本成功)、フリースロー83.5パーセントと、ショット成功率全般において高く、3ポイントはここ3シーズン連続で平均5.6本以上放って30パーセント台後半以上を記録。
今季は平均5.6本放って2.4本沈めており、成功率は42.6パーセントという高精度を誇っている。通算3ポイント成功数(701本)は、211センチ以上の選手としてはケリー・オリニク(デトロイト・ピストンズ/708本)に次いで現役2位。成功率や平均成功数を加味すれば、現役ビッグマンとしては3ポイントの最高の使い手と言っても過言ではない。
ただし、この対象が歴代ビッグマンとなるとタウンズの持論はもろくも覆ってしまうのではないだろうか。その筆頭はもちろん、ダラス・マーベリックス一筋21シーズンをプレーしてきたダーク・ノビツキーだ。
「彼は自信と個性を手にしたのさ。それはこのリーグで戦っていくために必要なこと。(ビッグマンとして)彼が史上最高(のシューター)なのかは分からないけど、まだまだ長い道のりが待ち受けている。でも彼のタッチはすばらしいし、それを発揮できる要素はそろっている。だから今のプレーを続けていくことができるなら、キャリアが終わる前にでもその位置まで上りつめることができるだろうね」。
ノビツキーはTVアナリストとして22日のマブス対ウルブズ戦に登場した際にそう語っていた。公称213センチ111キロのノビツキーがNBAで残した3ポイントの通算成功率は38.0パーセントで、平均成功数は1.3本。キャリア平均だけで見れば、タウンズは現時点でノビツキーを上回っている。
とはいえ、ドイツ出身のスコアラーは通算成功数でNBA歴代13位の1982本を誇っており、キャリアの差は大きく開いている点は否定できない。そしてキャリア平均成功数や通算成功率といったスタッツだけで“史上最強”と判断することはないということもポイント。
今季タウンズはメンフィス・グリズリーズ戦で延長に持ち込むブザービーターをハーフコート付近から決めているものの、ノビツキーは21年間という長いキャリアの中でレギュラーシーズン、プレーオフ、そしてNBAファイナルでも勝負どころで決定打となるショットを何度も沈めてきた。
ノビツキーは3ポイントに加え、ミドルとロングレンジからもワンレッグフェイダウェイやステップバックジャンパーを駆使して点を積み重ねてきただけに、この時点でタウンズをビッグマンとして史上最高のシューターと呼ぶのはやはり時期尚早。
ただ、タウンズが選手生命を脅かす大ケガをせずに活躍を続けて、プレーオフという大舞台でもインパクトを残すことができるのであれば、将来この評価が変わる可能性はあるだろう。
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