2022.03.26
ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントは今シーズンも印象的なプレーでチームのオフェンスをけん引している。1カ月半ほどケガで離脱する期間もあったが、復帰後わずか5試合目にして50得点オーバーをマーク。ランキングの規定出場試合数には到達していないものの、1試合平均29.4得点はリーグトップクラスの成績であり、そこに同7.2リバウンド6.0アシストが付属するとなれば、彼の影響力については言及するまでもない。
デュラントはリーグで最も卓越した選手との評価を獲得。史上最高と称される稀代のスコアラーはこれまで、2度のファイナルMVP、1度のシーズンMVP(2位が3回)、4度の得点王など、個人賞でも最高峰のトロフィーを数々所有している。
そのデュラントが、3月19日(現地時間18日)のポートランド・トレイルブレイザーズ戦に勝利したあとのメディアインタビューで、今季のMVPレースに言及。ケガの影響でレースから離脱しているが、リーグの現状をどのように俯瞰しているのだろうか。
「もし僕が予想するなら、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)、ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)の3人が有力候補だが、ジョエルに投票するだろう。(ニコラ)ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)もいるね。ヨキッチもそこに入るに値する。でも、僕は恐らく、ジョエルに一票を投じるだろうね」
エンビードは確かにシーズンMVPに値し、それに異論を唱える者はいないはずだ。7フッターの万能ビッグマンは、シーズン中盤まで昨季の相棒ベン・シモンズ(ネッツ)を失った状態で戦ってきた。戦力低下に球団の低迷は不可避かと思われていたが、チームは予想に反して、熾烈な争いが繰り広げられるイースタン・カンファレンスで上位をキープしてきた。その主たる要因は他でもない。この大黒柱の存在であり、彼の貢献度の高さと存在感はリーグでも突出したものがある。その証明として、本稿執筆時の得点王ランキングでは、29.8得点をマークし、絶好調のレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)に並んでリーグ1位に君臨している。
その一方で、ナゲッツのファンは、デュラントのリストアップを不服に思うかもしれない。ヨキッチはNBA公式が発表する「Kia MVP Ladder」において、2月11日から1カ月以上にわたり、MVPランキングで首位の座をキープしてきたからだ。ちなみに、モラントは4位に、デローザンは6位にそれぞれランクインしている。
果たして、今季MVPの称号は誰の手に渡るのか。いずれにせよ、先輩MVPに名前をコールされた3人の顔には笑みが溢れているに違いない。
文=Meiji
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