2022.03.25

ナイキとコービー一家が再びパートナーシップを締結、若者のスポーツ事業にも注力

ブライアント一家とナイキが再びパートナーシップ契約を結んだ[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 バスケットボール界にうれしいニュースが舞い込んできた。決別したと思われていたナイキとコービー・ブライアントのパートナーシップが両者の歩み寄りにより、第二章へと突入することが発表された。

 ナイキは3月25日(現地時間24日)、「コービーのレガシーを引き継ぐべく、ナイキとブライアント・ファミリーがパートナーシップを締結」とのタイトルを掲げたニュースを掲載。このニュースには、NBA選手をはじめ多くのプレーヤーが歓喜している。

 2021年4月13日で一度は終了した、ナイキとコービーの蜜月関係。スポークスパーソンとなったコービーの妻、ヴァネッサ・ブライアントはこれまでの道のりとプロジェクトを愛してくれたファンたちに最大限の感謝を述べながらも、各紙の報道によると、両者のパートナーシップに終止符が打たれた原因は、ナイキがコービー関連のアイテムの流通に制限をかけ、子ども用の展開がないことへの不満が解消されなかったことにあると言われている。

 しかし、今回の発表でナイキは「新しい世代のファンを支持し、若者のスポーツへの参加を奨励することに重点を置いている」と明言。このコメントから推測するに、ナイキとヴァネッサはこれまでの関係性を見直し、両者にとって納得のいく内容でのリスタートが切れたものと推測される。

 また、ナイキはコービー家との新たなパートナーシップを祝福するべく、最初のリリースに『コービー 6 プロトロ “Mambacita Sweet 16”』を送り出すことを発表。本作は亡き娘のジアナ・ブライアントへトリビュートを捧げるモデルで、ナイキはジアナに関連する商品の年間売上の100パーセントを「マンバ&マンバチータ・スポーツ財団(Mamba & Mambacita Sports Foundation)」に寄付するという。

ナイキはコービーの娘・ジジ(左)のトリビュートモデル発売を発表[写真]=Getty Images

「コービーは世界中の人にとって非常に大きな意味を持つ存在」

 ナイキのCEOを務めるジョン・ドナホーは、コービー一家との新たな歴史を築くことについて、以下のとおりコメントしている。

コービー・ブライアントは、NBAファンだけでなく、ゲームを超えて世界中の多くの人々にとって非常に大きな意味を持つ存在です。特に、女性や若者にスポーツを奨励し、スポーツという文化を成長させた彼の影響力は、最も深く永続的なレガシーとして受け継がれています。ヴァネッサとともに今後何年にもわたって新しい世代を支援することで、コービーとジジに敬意と感謝を示したいと思っています」

 また、今回の発表ではヴァネッサからも喜びの声が寄せられている。

「夫のレガシーをナイキとともに引き継ぐ発表ができたことを大変うれしく思います。また、次世代の若手アスリートとマンバメンタリティを共有することにより、夫とジジのグローバルインパクトが拡大することを楽しみにしております」

コービーの妻・ヴァネッサ(左)は「夫とジジのグローバルインパクトが拡大することを楽しみにしている」と喜びを語った[写真]=Getty Images


 ナイキとブライアント・ファミリーは刷新されたパートナーシップの一環として、南カリフォルニアにバスケットボールセンターを設立するほか、マンバメンタリティを継承するNBAおよびWNBAアスリートのために今後もプロダクトを展開していくという。

 ここ数年、NBAプレーヤーたちは転売市場を利用してまでナイキのコービーモデルを手に入れていたとされているが、これによりバスケットボールシーンには安定してコービーのシグネチャーが展開されることになるだろう。両者の新章開幕に期待が高まる。

 文=Meiji

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