2022.04.30
4月21日(現地時間20日、日付は以下同)。フィラデルフィア・セブンティシクサーズの2勝0敗で迎えたプレーオフ ファーストラウンド第3戦で、ホームに戻ってきたトロント・ラプターズは、OG・アヌノビーやギャリー・トレントJr.らが気を吐いて食らいついていった。
ラプターズは第4クォーター残り2分3秒にプレシャス・アチウワのショットが決まって95-90と5点差をつけて試合を締めくくろうとするも、シクサーズはタイリース・マクシーのプルアップジャンパー、ジェームズ・ハーデンのレイアップ、さらには残り49.7秒にハーデンがフリースロー2投中1本を沈めて同点に追いつき、試合はシリーズ初の延長に。
延長に入っても両チームの意地がぶつかり合い、リードが入れ替わるなか、試合の勝敗を決めたのはビッグマンの一撃だった。101-101で迎えたシクサーズ最後のポゼッション。ラプターズの好守に苦しみ、残り2.6秒でタイムアウトをコール。ショットクロックが残り0.9秒と迫るなか、ダニー・グリーンのスローインを左ウィングで受け取ったジョエル・エンビードがターンアラウンドで3ポイントを放ち、これが残り0.8秒でリングを射抜いてシクサーズが104-101の劇的勝利を飾った。
シクサーズではエンビードがいずれもゲームハイとなる33得点13リバウンド、ハーデンが19得点6リバウンド10アシスト、マクシーが19得点、トバイアス・ハリスが11得点12リバウンド、グリーンが9得点7リバウンド2スティールをマーク。
エンビードやハリスらが前回のプレーオフでこのスコシアバンク・アリーナでプレーしたのは、2019年のカンファレンス・セミファイナル第7戦。エンビードはカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)をガードし、右コーナーへ追い詰めるも、そこからシリーズ決着となった歴史的ブザービーターを決められてしまい、惜しくも敗れた試合だった。
「僕とジョエルはそのことについて話した。前回僕らがここでプレーした時、何が起こったのかを確認してから乗り込んだんだ」とハリスは明かした。だが今季の活躍で自他ともに認めるシクサーズのリーダーとなったエンビードは「このシリーズで、俺はあの時のリベンジをしてやろうとは考えていない。俺はそれよりも、勝利することにフォーカスしているんだ」と語っていた。
残り2.6秒のタイムアウトでドック・リバースHC(ヘッドコーチ)が下した決断についても「最高のプレーコールだった。トバイアスがすばらしいスクリーンをセットし、ダニーが最高のパスをくれた。俺がやらなきゃいけなかったのはフィニッシュすることだけだった。それができてうれしいね」とエンビード。
これでシクサーズはシリーズ3戦負けなしとし、ここ5シーズンで4度目となるファーストラウンド突破に王手。だが大黒柱は「今は最高な気分だが、まだ仕事は終わっちゃいない。俺たちはあと1勝しなきゃならない」と引き締めた。
敗れたラプターズではアヌノビーが26得点5リバウンド4アシスト、トレントJr.が24得点、アチウワが20得点6リバウンド、フレッド・バンブリートが12得点5リバウンド9アシスト3スティール、パスカル・シアカムが12得点5リバウンド4アシスト2スティールを残すも崖っぷちの3連敗。渡邊雄太は2戦連続で出場機会を手にすることができずに終わった。
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