2022.08.10

シアトル対決勃発! マレーとバンケロ、プロアマリーグとSNSでヒートアップ

ともにシアトルを故郷とするマレー(左)、バンケロ(右)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 オフシーズンは本来、競争の激しいリーグ戦の消耗から心身ともに回復し、新シーズンに向けてコンディションを調整する期間に当てられる。しかし、戦いに飢えたNBA選手たちは休暇中もプレー環境を探し、自身を奮い立たせている。

 その主戦場となるのが、プロと国内トップクラスの腕自慢が一堂に会するプロアマリーグだ。最近はレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がプロアマの頂点に君臨する「ドリューリーグ」に参戦したことも大きな話題となった。

 NBA復帰が熱望されているアイザイア・トーマス主催のプロアマトーナメント「ジークエンド」にも実力者が集結。そして、同大会で最も注目を集めたのは、今シーズンからアトランタ・ホークスでプレーするデジャンテ・マレーと、オーランド・マジックよりドラフト1位指名を受けたパオロ・バンケロのマッチアップだった。

『USA TODAY』によれば、バンケロは試合序盤、マレーからシュートファウルを被るも微動だにせず、むしろマレーを吹き飛ばしたという。このプレーでマレーに火がつき、ここから2人は一気にヒートアップすることになる。

 この試合のベストプレーは、バンケロを手玉に取ったマレーの一人アリウープだった。クリス・ポールを彷彿とさせるパスフェイクでバンケロを“迷子”にしたマレーは、そのままボードにボールを当てて、豪快なワンハンドダンクを叩きんでみせる。

 さらに、直後には“Too little(小さすぎる)”のジェスチャーでバンケロにボールを投げつける挑発的な態度を取ると、ベンチに戻る際には「若いな、ソフトすぎる」と捨て台詞を吐いた。


 試合中はおろか、2人の口論はSNSにまで持ち越された。先制攻撃はマレーから。先述のハイライトをインスタグラムに投稿したマレーは、「最強のリーグへようこそ! お前らは敬意に欠けると言うだろうな。そんなことは分かってるよ!」とキャプションにコメントし、歓迎。そして、その動画をストーリーにもシェアし、バンケロへ向けてさらに厳しいビーフを送った。

「お前(バンケロ)が子どもの頃、俺はリバウンドを手伝ってきたのに、お前は1位指名を見せつけようとしてきた。インターネットで無言を貫くなよ。お前は謙虚だった子どもから変わっちまった。俺は本物のガキを相手にしてるんだ。分かってるよな! お前が成功して変わっちまったから、俺からは尊敬の念がなくなった!」

 一方のバンケロも、ただ聞き役に徹したわけではない。「俺のインスタグラムのフォローを外したみたいだけど、すべて個人的なことだよな? それはさておき、次はダブルチームを送り込まずに、ちゃんとガードしてこいよな」と口撃に応戦。そして、横柄と言われたことに対しては「変わらず謙虚だけどな。俺はいつもあんたを信じてた。ネット向けにシナリオを書き換えないでほしいね」とクールにあしらった。

 マレーとバンケロは、同じシアトル出身。2人はともに同郷のスーパースターであるジャマール・クロフォードに多大なる感謝を抱いており、こうした共通項から両者はNBA入り前から面識があったものと思われる。

 互いにイースタン・カンファレンスの球団に所属するため、開幕後もオンコートで顔を合わせることは必至。ホークス対マジックの一戦は、激しい火花が散らされることになるだろう。
 
 文=Meiji

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