2022.08.22

レブロンやテイタムらがクロフォード主催のプロアマリーグに参戦

レブロンがプロアマリーグに参戦(写真は7月)[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 今シーズンのオフは、プロアマリーグが例年以上の盛り上がりを見せているように思える。

 それを強調するできごとは、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)の参戦だろう。同選手は先日、1973年に設立されたLAの老舗プロアマ大会「ドリューリーグ」に参戦。デマー・デローザン(シカゴ・ブルズ)と強力デュオを結成し、まるで実力とプライドを誇示するかのように42得点16リバウンドを挙げ、これ以上にないファンサービスを提供してくれた。

 しかし、体調管理にも抜かりないレブロンが貴重なオフに2度もプロアマの舞台に姿を現すことなど、誰が予想できただろうか。8月21日(現地時間20日)、レブロンはワシントン州シアトルに飛び、ジャマール・クロフォード(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)が主催するプロアマゲーム「クローズオーバー」に初参戦したのだ。

「クローズオーバー」は、現役選手や元プロ、国外選手、マイナーリーグの実力派、NBAを目指すカレッジ選手など、腕利きのプレーヤーが集結する夏のプロアマリーグ。クロフォード主催ということもあり、過去にはネイト・ロビンソン(元ニューヨーク・ニックスほか)やケビン・ポーター・ジュニア(ヒューストン・ロケッツ)といったシアトルに縁のある選手や、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)やクリス・ポール(フェニックス・サンズ)らスーパースターも数多く登場している。

 NBAに飢えているシアトルの人々は、レブロンの参戦を聞きつけ、大会前日から会場前に長蛇の列を作った。だが、その理由は彼一人だけではない。この日はオールスターのジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)とデジャンテ・マレー(アトランタ・ホークス)に加えて、ルーキーのパオロ・バンケロ(オーランド・マジック)、チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)、さらにはミスター50の異名を持つアーロン・ゴードン(デンバー・ナゲッツ)というプロアマリーグでは前例のない豪華メンバーが一堂に会したのだ。

 会場にレブロンが到着すると、観客からどよめきが起こる。また、ウォーミングアップ中もゴードンとレブロンがそれぞれダンクコンテスト級の一人アリウープを連続で披露するなど、ゲーム前から撮影用のハイライトを作ってくれた。

 試合も序盤から目の離せないプレーの応酬に。同じチームでの出場となったレブロンとテイタムは、前者が豪快なスラムダンクを沈めれば、後者はノーモーションの鋭いアシストを披露。さらに、テイタムのロブパスからレブロンがレフトハンドダンクを決めたシーンは、シアトルのボルテージが最高潮に達した瞬間だった。

 残念なことに、試合は結露によるコート状態の悪化を受けてハーフタイムを前に終了となったが、マレー対バンケロのシアトル対決も実現し、見どころ満載のゲームとなった。

 現在、シアトルはNBA球団の再設立が期待されている都市のひとつ。スター選手の集結と街の人々が示したバスケットボールへの熱量は、アダム・シルバーへの大きなアピールとなったことだろう。

 文=Meiji

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