現状のシモンズをネッツ指揮官が語る「この短期間でベストな状態にはならないだろう」

「復帰してプレーするうえで、彼は自信やタイミング、リズムを取り戻そうとしているところだからね」

　10月12日（現地時間11日、日付は以下同）。ブルックリン・ネッツのスティーブ・ナッシュHC（ヘッドコーチ）のコメントが『ESPN』へ公開された。

　ネッツはプレシーズン2試合を終えた時点で2戦全敗。フィラデルフィア・セブンティシクサーズに108－127、マイアミ・ヒートに80－109でそれぞれ敗れている。

　それでも、昨シーズンのベン・シモンズはシクサーズで開幕を迎えたものの、メンタルヘルスの問題と背中に痛みを抱えて全休したのだが、ここまでプレシーズン2試合に出場しており、平均22.3分5.0得点7.0リバウンド4.5アシスト1.0スティールにフィールドゴール成功率55.6パーセントを記録。3ポイントは1本も放っておらず、フリースローも2本すべてミスしているが、2シーズンぶりの復帰に向けて前進していると言っていいだろう。

　ネッツは26歳の元オールスターがコートで快適にプレーできるよう、全力を尽くしているものの、指揮官はこの男にはまだまだ時間が必要だと見ているようだ。

「我々はベンについては気を長く持つことにする。彼は素晴らしい才能の持ち主で、ユニークなプレーヤーでもある。だがこの短期間でベストな状態にはならないだろう。（コートへ）復帰してプレーするうえで、彼は苦労して前へ進み続けていて、自信やタイミング、リズムを取り戻そうとしているところだからね」

　幸い、ネッツは20日のレギュラーシーズン開幕戦（対ニューオーリンズ・ペリカンズ）を前に、13日のミルウォーキー・バックス戦、15日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦と、プレシーズンゲームが2試合組まれており、シモンズが調子を上げる時間は残されている。

　ただ、12日のチーム練習後、指揮官が「ベンにとって多くの面で理解できていないこと、それは繰り返しやっていくことだと私は見ている。彼は長い間プレーしていない。背中のケガから復帰するから、躊躇してしまうこともあるだろうが、プレーを続けることによって自信も取り戻すだろう。彼には時間が必要なのさ」と話していたことから、開幕までの約1週間でシモンズがベストな状態まで回復できるかは微妙。

　それでも、ケビン・デュラント、カイリー・アービングとともに主軸を担うことが期待されているシモンズが完全復調へ向けて動き出していることは間違いなくプラス要素。新たなチームへ溶け込み、コートで堂々とプレーするシモンズの姿を、チームだけでなくメディアやファンも望んでいるだけに、是非とも自信を取り戻してほしいところだ。